骨粗鬆症・より深く解説①原因・メカニズム・診断

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『骨粗鬆症・より深く解説①原因・メカニズム・診断』

きくらげは骨粗鬆症でして、治療をはじめてちょうど三年になろうとしています。
クローン病の合併症のほうでも簡単に骨粗鬆症についてお話しましたが、健常者も含めて骨粗鬆症リスクは誰にでもあります。

そんなわけで、今回は、健常者の方にも参考になる一般情報として、骨粗鬆症の原因・メカニズム・診断を中心に、体験談を交えて解説していきたいと思います。

掘り下げていくので長くなりますから、3回に分けてお話していきます。

※難しくてよくわからないと感じた方はスキップしていただいて、③回目の最後の『まとめ』のところだけでもOKかと思います

 

私のこれまでの治療

主治医から処方されていたのは、『アクトネル』と『アルファカルシドール』の内服薬。
治療をはじめて1年と3ヶ月くらいの頃、検査をしたところまっっったくの横ばいで骨密度70%でした。
そこで注射薬の『プラリア』へ変更し1年すぎた頃の段階で改善がみられ、79%まで上がっていました。現在継続中です。

骨粗鬆症治療薬にはどんなお薬があるのか、また、症状と診断、機序など、基本的なことから簡単にご説明したいと思います。

 

骨粗鬆症の原因

骨粗鬆症は、骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。もう少し細かく説明しますと、なにかしらの理由で骨の新陳代謝が乱れ、『骨を壊す細胞(破骨細胞)』が『骨を作る細胞(骨芽細胞)』より働かされ、骨が壊れていく病気になります。

これによって骨密度が低下、骨折をしやすくなり、またそれ以外にも様々な症状が現れます。

皮膚のように活発でサイクルの速い新陳代謝ではありませんが、骨も古い骨を捨てて新しい骨を形成しているのわけですね。これを『骨のリモデリング』といいます。

特に、女性の場合は更年期頃から女性ホルモンが低下します。女性ホルモンは骨の形成に大きく関わっているホルモンなので、女性は男性よりも骨粗鬆症になりやすい傾向にあります。

それ以外の要因としては、ステロイドの服用や栄養障害などがあります。

私たちIBDの場合、栄養は不足になりがちですし、とりわけ手術を繰り返していて腸管が短い場合、栄養を吸収してくれる腸管そのものが足りていないので吸収障害があり、骨粗鬆症をはじめ様々な栄養障害になりやすいです。
ステロイド治療をしている場合は、よりリスクは高まる傾向にあります。

※私の場合は、短腸のための吸収障害に起因しています。

これから先、女性ホルモンも低下するから尚悪いです……。

 

骨粗鬆症で骨折しやすい部位

一番多いのは末端の『指や手、手首、足の指や足首』などです。つまづいたり、転んだり、ちょっとぶつけただけでも簡単に折れちゃいますね。
くしゃみなどで肋骨が折れることもしばしばあります。

※私は肋骨を何度も骨折しました。

その他の部位で骨折しやすく、また大惨事になってしまうのは、『肩、背骨、骨盤、大腿骨』です。

これらはどれも運動機能の大きな要です。高齢者の場合ですと骨折してそのまま寝たきりになってしまうことが多いので、骨粗鬆症は放っておかずに正しい治療をする必要があります。

正しい治療とは、『医師による適切な診断と処方』です。

自己流『でカルシウムをたくさん摂って治そう』、『お日さまをたっぷり浴びて治そう』、と考えてしまいがちですが、治療として十分とはいえません。治療といえるほどの効果は現実的ではありません。

医師からもそのように説明されるはずです。きちんと病院を受診しましょう。お薬を使わずに治すことは実質不可能です。

 

骨粗鬆症かな?という予兆

残念ながら予兆らしい予兆はあまりありません。気付いたときには既に骨粗鬆症になっていた、というケースがほとんどです。

明確にわかるケースとしては、身長が3cm以上縮んでいた場合、骨粗鬆症である可能性が高いです。

猫背や、腰痛など、脆くなっている腰椎が圧迫され、慢性的な痛みがあったり、腰椎が圧迫され身長が縮んだりします。

背中や腰がずっと痛い、身長も縮んできてる、そうした場合には検査を受けましょう。

気付くのが遅くなりますと、腰椎が圧迫されて『圧迫骨折』をしてしまいます。

いずれにしても予兆、とはちょっと言えないですね。おかしいかな?と自覚しだした頃に検査しても既に骨粗鬆症となっている、ですね……。

 

診断

骨粗鬆症の診断には、いくつもの検査が必要になります。検査方法には『画像検査による骨量(骨密度)測定』と『血液や尿による検体検査』があります。

まず画像検査ですが、大腿骨と骨盤などの撮影をして骨密度を測ります。

これだけでは確定的な診断はできないため、血液検査や尿検査もします。

【骨密度は思春期から20歳にかけて最大となり、40歳頃まではその値が保たれ、その後減少していきます。 そのため、日本の骨粗鬆症の診断基準では、若年成人(20〜44歳)の骨密度の平均値を100%で表し、80%以上を「正常」、70〜80%を「骨量減少」、70%未満を「骨粗鬆症」と診断します。】

ただし、骨の強さは骨密度だけでなく骨の質『骨質』も影響しており、骨密度が標準範囲内でも骨の質が悪ければ骨折しやすくなってしまいます。

※私の場合、70%とギリギリな値ですが、骨質が悪く骨折を繰り返してしまってるので骨粗鬆症と診断がつきました。

 

骨粗鬆症の検査

※このパートは専門的なので、読み飛ばしても問題ありません。
「骨密度70%がボーダー」という点だけ覚えておけば十分です。

【骨密度】

骨粗鬆症の診断は、骨密度の測定、レントゲン写真、血液検査の結果によって診断されます。

骨密度の測定では、『YAM値』という値を確認します。

YAM値とは、健康で若く1番骨密度が多い時と比べて、現在の骨密度が何%あるか比較した数値になります。70%未満が骨粗鬆症となり(80%未満70%以上は骨量減少)、治療の対象となります。

 

【Tスコア】

若年成人女性の骨密度の平均値(YAM 値)と標準偏差(SD)から求める数値です。

YAM%評価では70%以下、Tスコア評価では-2.5以下が骨粗鬆症』と定義されており、いずれかで評価が可能となっています。

 

【レントゲン写真】

大腿骨や骨盤、腕などの大きな骨のレントゲン写真を撮り、骨の状態を確認します。

※このへんのことは細かく知らなくて全然大丈夫です。70%ボーダーだけ覚えておけばOKです。

 

【血液検査】

・TIBC/比色法(単位:360µg/dl)

総鉄結合能といい、TIBCは血清中の鉄結合蛋白であるトランスフェリンが結合しうる総鉄量を意味し、その増減は血清トランスフェリンに並行します。一般に「総鉄結合能(TIBC)=血清鉄+不飽和鉄結合能(単位μg/dL)」の関係を示し、貧血、鉄欠乏あるいは鉄過剰が疑われる場合に測定されます。

骨粗鬆症の検査でも、この『鉄の結合の能力』をみます。

低いと❌

基準値

300~360µg/dl

 

・total PINP(単位:ng/ml)

骨形成(新しい骨を作る力)』を示しています。 この 数値が低いと、弾力性のある骨を作る能力が低いことになります。 その一方で後述のTRACP-5bと合わせてこの数値が高いと、骨の新陳代謝が過剰に行われていることになり、骨が固まる前に代謝していることになります。

基準値

男性(30~83歳):18.1~74.1µg/dl

女性(閉経前30~44歳):16.8~70.1µg/dl

女性(閉経後45~79歳):26.4~98.2µg/dl

低い高いだけでなくTRACP-5bと併せて判断。基準値外は❌

 

・フェリチン定量(単位ng:ml/)

骨組織に大量に存在するI型コラーゲン前駆体の代謝産物を測定する検査です。骨形成の早期マーカーとして、骨粗鬆症治療薬の効果判定に用いられます。

低いと❌

逆にフェリチン値が高い(250ng/ml以上)場合、 体内の貯蔵鉄が多くなりすぎている、もしくは、肝障害、感染症、悪性腫瘍、心筋梗塞などの病気が疑われます。 肝障害や感染症などを患っている場合は、貧血傾向があってもフェリチン値が高くなります。

高いのも❌

基準値

一般に、12~249.9ng/mlが正常範囲。

 

・ucOC(単位:ng/mL)

骨粗鬆症の治療効果を判定するマーカーの一種で、ビタミンKが不足した場合に血中に放出される正常な機能を持たないオステオカルシンを測定する検査です。

ありていにいうとビタミンKの減少ないし上昇をみます。

ビタミンKは骨に存在するオステオカルシン(カルシウム結合タンパク質)を活性化し、カルシウムの骨への沈着を促して流出を防ぎます。

そのため、ビタミンK欠乏状態においては、骨特異蛋白である『オステオカルシン』のグルタミン酸残基が、γ-カルボキシグルタミン酸残基に変換されず、骨代謝機能のない『低カルボキシル化オステオカルシン』となってすべてが血中に放出されます。骨の質に影響があるわけですね。

ucOCは骨密度とは異なる骨折リスク因子です。

高いと❌。ビタミンKが不足、骨折リスクの上昇です。

基準値

4.50未満 ng/mL

 

・TRACP-5b(単位:mU/dL)

骨吸収』を示しています。破骨細胞による骨吸収の際、血中に放出されるため、破骨細胞の数を反映し、骨吸収活性を反映するマーカーです。

先述しました通り、骨も代謝しており破壊と再生(形成)を繰り返していますので、total PINPと併せて判断します。

基準値

男性:170~590mU/dL

女性閉経前:120~420mU/dL

女性閉経後:250~760mU/dL

低い高いだけでなくtotal PINPと併せて判断。基準値外は❌

 

細かく説明しましたが、どれも覚えられないと思うので、「そーゆーところを見るんだ」って知っておおざっぱに理解するだけで大丈夫です。

血液検査の結果も、各項目先生がきちんと説明してくれます。

よく、骨折すると「わたし骨粗鬆症だから(笑)」みたいな会話を耳にしますが、そうそう骨粗鬆症になるものではありませんし、本当に骨粗鬆症かどうかの診断には結構な細やかさがあって、簡単な話ではないですよね。

マジもんの骨粗鬆症は、日常生活かなりビクビクします。ちょっとしたとこですぐ折れちゃうから……。とくに骨盤や大腿骨なんかを折ってしまったらと思うと、恐怖です。

 

次回は具体的な治療、『骨粗鬆症・より深く解説②治療薬の種類・骨形成と骨代謝』についてお話していきたいと思います。

 

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