もっと主食に気を配ろう

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きくらげの食事メソッド
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『もっと主食に気を配ろう』

おかずに気をつけてても主食がごはんな件。前回に続きますが今回は主食についてご説明します。

 

意外と消化に悪い『ごはん』

ごはんって、実は消化・吸収があまり良くないんです。というのも、『お米は小麦より腹持ちが良い』とはよく聞きますよね。それは消化に時間がかかるからなんですね。

消化に時間がかかるものを、消化に良いとは言いません。

また、咀嚼の影響も意外と受けにくいのです。前回お話しましたよく噛んでペッして確認してみるとわかるかと思いますが、意外と形状はそのままだったりします。

また、小腸型のストーマの方や一時ストーマの経験がある方はパウチの中に貯まるごはん粒を目にしたことがあるのでわかるかと思いますが、ごはん粒は半透明になって薄く軟らかくなっているものの、やはり咀嚼の影響が少ないから粒の形がそのままのものが結構多いです。

※きくらげもストーマだったときに色々な食品を試して小腸を通過した段階でどのような形になってるかよく観察しました。

結構、これは◯◯だ、とわかるくらいには、残ってます。

そのため、やはりとくに注意が必要な活動期ではごはんは避け、お粥やおじやなどが望ましいです。

 

お粥の形態による段階分け

お腹にやさしいものの代表、お粥。お粥には形態の段階があることはご存知ですよね。

流動(重湯)→三分粥(7割重湯)→五分粥(5割重湯)→七分粥(3割重湯)→全粥(重湯ほぼなし)

となっています。
病院では順番に形態をアップグレードさせていくことを『上がり食ともいい、流動から順に上げていき、お腹を慣らしていき、最後に全粥→米飯(ごはん)にしていきます。

また、病院では主食に合わせた主菜・副菜を添えた献立名を『◯◯菜』といい、『五分菜』ですとか『全粥菜』ですとかいいます。

高齢者用のいわゆる『シルバー食』は『軟菜食』ともいいます。
ここで大きなヒントがでましたね。主食の形態に合わせた主菜・副菜、と。
そうなんです、当たり前といえば当たり前なのですが、主食をお粥にしてもおかずが消化に悪かったらなんの意味もないんですね。
主食とおかずの形態を合わせてはじめて食事療法としての効果が期待できるのです。
※ココとても重要!

つまり、クローン病にとってどんな食事が望ましいかというのは、病態によって食事の形態を変えるというのが正解になります。

 

『おじや』と『雑炊』と『お粥』の違い

さて、では活動期ではどんな食事が望ましいかというお話ですが、勿論、消化と吸収の良いもの。
お粥ですね。
でもお粥ばっかりって飽きますよね。
じゃあ、『おじや』ならどうかな?

意外と明確に区別できてない、『おじや』と『雑炊』と『お粥』の違い。

ぶっちゃけ、料理としてはおじやと雑炊にはさほど違いはありません。
が、ではどちらもクローン病に望ましいかというと、ここには差があります。

・『おじや』は炊いたご飯(残りものの冷や飯だったり)を出汁や具材と一生に煮込みます。

・『雑炊』は、炊いたご飯(残りものの冷や飯だったり)を一旦、水洗いしてから、おじやと同様に煮込みます。

この1つの行程の差で、おじやは粘り気のある仕上がりになり、雑炊はサラリとした仕上がりになります。

では問題。おじやと雑炊、どちらがお腹にやさしい?

正解はおじやです。

ほぼ同じ料理ですが、サラリとした仕上がりの雑炊は咀嚼から逃げやすいです。比較的シャバシャバしてますので、よく噛もうと思っても奥歯から逃げてしまって咀嚼による破砕がにしくいので、おじやのほうが咀嚼しやすくお腹にやさしいです。
ですので雑炊はあまり望ましくはありません。

お茶漬けは論外なことはわかりますよね。ただお湯ぶっかけただけですから。

1番お腹にやさしいお粥は、生のお米を通常より(米飯を炊く場合より)多い水の量で抱き上げます。
水分量が多く、高圧で抱き上げることでお米の粒が弾け、中のでんぷん質が外へでている状態。

このでんぷん質のドロドロが重湯になります。そして重湯がでるほど抱き上げでお米が弾けているのですでに破砕されている状態であり、咀嚼をたくさんしなくても十分なだけやわらかく、お腹にもやさしくなっています。

 

きくらげの個人的なオススメ

私が活動期バリバリのときに食べていたのは『おじや』です。

でも、ただのおじやじゃなくて、冷や飯を細かく切った具材と一緒に煮込むというのは同じですが、水の量を多くし、沸騰させてからではなく水の状態から鍋に冷や飯をいれて、蓋をして圧力をかけて煮込み、お米の粒を弾けさせます。それから溶いた卵を割りいれて卵に火が入ったら完成。

つまり、おじや、もといお粥ですね。

味も具材も変えられるので飽きにくいですしバランスも良い、作るのも簡単。お椀だけで食べるので洗い物も少ない。

※ちなみに、具材は、ツナ水煮缶、卵、大根、人参、キャベツ、です。
あとは飽きないよう味変ですね。コンソメ、和風、中華風、カレー風、
たまにチーズも入れたりします。
+湯豆腐や蒸した白身魚などもおかずとして用意します。

勿論、おじやだけでは栄養は不十分ですので経腸栄養剤(当時はラコールでした)を4パックは飲んでいました。

その他、焼プリン(カスタードは❌)、ゼリー、ヨーグルトなど、このへんは鉄板ですね。

これが病態に合わせて食事の形態を変えていく食事療法です。
このように食事療法と栄養療法でしっかりとお腹を守りつつ栄養を摂っていました。

 

寛解期でも主食に気をつけるべき?

個人差ですね。寛解しててもやっぱりお腹は健常者より下しやすいですし、癒着や狭窄など消化器の動きが悪かったり腸閉塞になりやすかったりします。ですので、できれば主食も気を使ったほうが望ましいです。

ではどんなものが良い?それが『軟飯』です。

軟飯ってあんまり耳に覚えがないかもしれませんね。
炊飯器の設定にもそんな文言はありません。
これは栄養士しか馴染みがないかもしれません。

軟飯とは、通常のごはんより軟らかいご飯。炊飯器の設定の『やわらかめ』よりも軟らかいです。

状態としてはお米の粒が半分くらいは弾けてて、粒はわかるものの全体的にべっとりしてる状態ですね。

作り方は単純で、炊飯の際に水の量を少し多くするだけです。

1合なら1,5合の目盛りにする、とかですね。炊飯器によって差がでるのでちょうどいい加減は各々お試しで。
軟飯ですと、やや弾けてるぶん消化に良いですし、べっとりしてるぶんまとまりがあるので咀嚼もしやすくやはり消化に良いです。

ちょっと物足りない歯ごたえかもしれませんが、これくらいの軟らかさにして慣れておくことがクローン病との長い付き合いの上ではオススメです。

とはいえ、寛解期は医師と相談の上、ほとんど自己判断自己責任で自由ですけどね。私もあんまり制限してるわけではありませんし。
ただ、望ましいのは?と聞かれればやっぱり制限はそれなりにしたほうが良い、という実態がある、ですね。

 

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