IBDと排便・踏み台を使おう

IBDの暮らしと健康
IBDの暮らしと健康
この記事は約6分で読めます。
『IBDと排便・踏み台を使おう』

私たちIBDの患者さんの中には、お通じが悪い方、お尻が痛い方、おりますよね。

直腸の一部を切除してたり、癒着や狭窄が激しくお腹が張りがちな方ですと便がでにくいですし、痔瘻があったりするとただでさえ痛いのに『いきむ』と猛烈に痛いですよね。

健常者の方の中にも慢性的な便秘、そして強くいきむことによって切れ痔などになってしまうことがありますね。

今回は、日本人の直腸と肛門の作りをお話しつつ、便を出しやすくするアイテムをご紹介したいと思います。

 

日本人の直腸から肛門の角度

最近は結構話題にもなってるのでご存知の方も多いかと思いますが、日本人と欧米人とでは骨盤内の直腸から肛門の角度が異なります。

日本は、座卓文化で、椅子に座る習慣が近年までありませんでした。

トイレも和式です。いわゆるウンチングスタイル

この状態で排便しやすい身体の構造になっているんですね。

欧米では椅子文化で洋式トイレなので、欧米人は洋式トイレで排便しやすい構造になっています。

このような差異は、環境や生活様式の違いによって身体の作りが違うためです。

 

身体の作りが違うとは

あまり知られていませんが、人間というのはかなり早いサイクルで身体の作りが変化します。

偉大なるネズミ先生の特徴を色濃く残す子孫ですから、環境への適応・順化が早いということです。

たとえば、沖縄の方たちは数百年、豚肉を常食する文化だったため、分子量の大きいコラーゲンを分解しやすいお腹になっています。

しかし、コラーゲンがお肌に良いからと、本土の人間が沖縄の方と同じように豚足などのコッテリしたのを食べると、分解しきれずお腹を下してしまいます。

これは、本土の人間はまだ食肉するようになって年月が浅く、適応しきれていないためです。

※まだ100年にも満たない

他にも、柔らかものを食べるようになったから顎が小さくなった、ですとか、身長や、女性ですとバストサイズも大きく変化しましたね。

膝関節変形症というのを耳にしたことがあると思いますが、日本人はO脚になりやすい形で産まれてきます。これは座卓文化であぐらをかく習慣があるため、膝の形がそうした姿勢をとりやすいよう出来ていて、産まれながらに適した構造をとっています。

1000年以上もの長い年月で順化した骨格、というわけです。

食事や姿勢など、昔と現代での生活スタイルとは異なりますので、そのため、様々な弊害や健康障害が現れるのです。いわゆる現代病と呼ばれるものも、その中の一部ですね。

そして先にお話した通り、人間は適応するための世代交代サイクルが早いです。

三世代百年でおよそ適化するといわれています。

つまり、今と同じ生活様式が100年以上続けば、その頃誕生する日本人は身体の作りが適した形に変わっている、ということです。

しかしながら、『食』に関してみれば、戦後に小麦が大量に輸入され給食ではパンが提供され、小麦文化が根付いたことにより栄養状態は大きく改善、身体の成長にも大きな影響を及ぼしましたが、『食肉』への適応は達成できていません。

食肉文化が定着し、80年代頃まではステーキやハンバーグなどたくさん食べられていましたが、同時に成人病(生活習慣病)も増えてきたことにより『健康志向』が強くなってきてダイエットですとか、『菜食』ですとかが流行、現代でもゼロカロリー、低脂肪など一般化していますね。

つまり、適応前に食文化がまた変化してしまった。

そのため、未だ日本人はお肉の脂を分解するのが苦手な身体になっています。

難しいですね、3世代100年分の犠牲を払えば日本人もアメリカ人のようにコッテリした脂を摂っても分解できるようになる(理屈では)ですが、犠牲が大きい……

というわけで、ちょっと余談になりますが「コラーゲンをたくさん摂りたい!!」と思ったら、食事ではなくサプリメントの『低分子コラーゲン』で摂取したほうがお腹にとっては望ましいです。低分子化されているので消化・吸収は食事より効率は良いです。

※効率の良さが低分子コラーゲンの持つ様々な効果を保障する、というわけではありません。

サプリメントは補うものですから、病気の予防・診断・治療を目的としていないため、いかなる場合でもその効果の保障はされません。

誤認識に注意⚠️

 

ウンチングスタイルの肛門の角度の違い

さて、話を戻しておトイレ事情。

日本人が和式トイレのほうが排便しやすい身体構造ということはわかったかと思います。

画像にてどんな形かご説明しますと、こんな感じです↓

※本来は膝がもっと立っていてお尻がもっと低くなるのですが、モデルくんの稼働域が足りずにわかりにくい画像ですみません。

①和式の体勢ですと、骨盤が内に入り前にでて直腸が真っ直ぐになり、自然と肛門の筋肉が弛まって、便が出やすくなります。

では洋式トイレの場合ですが、

洋式トイレに座りますと、骨盤が外にでて(ややへっぴり腰な形)直腸が曲がり、肛門の筋肉が弛まず、先詰まり気味にになってしまいます。

これでは便が出にくいことがわかりますよね。

このように前屈みになっても骨盤の位置が変わらないため、直腸は真っ直ぐにはならないので、やはり便秘がちになりやすいです。

※トイレでスマホをいじったりしてる方、みんなこの姿勢になっています。要注意⚠️

 

踏み台を使おう

洋式トイレでも、和式トイレのときのように直腸を真っ直ぐにして肛門の筋肉を弛める方法があります。それが踏み台です。

踏み台を使うとこのようになります↓

④の踏み台を使うことにより、膝が上がり、骨盤が内に入り前にでることによって腰からゆるやかな丸みができ、和式トイレと近い体勢となり、排便しやすくなります。

また、次の画像のご覧の通り肛門(ウンチの射出角度)が普通に座った場合ではお尻より後方に広がるため、トイレが汚れやすいですが、

踏み台を使うことによって角度がお尻の真下になるため、便も真下に落ち、トイレが汚れにくくなります。

これかなり大きな違いですよね。

下痢がちな私たちはトイレすぐ汚れちゃいますからね。

このように、踏み台を使うとメリットがたくさんございます。

健常者の方でも踏み台を使うことで便秘が解消されたという方は多いです。

IBDでも強くいきまずにスムーズに排便ができるので、肛門へのダメージも少なく、快適に排泄できるようになったという方も多いです。

私自身も使っていますが、使う前と今とでは全然違います!特に汚れがね!

これは私が使っている商品ですが、オススメです。
折り畳み式なので使わないときは省スペースで保管できますし、トイレだけでなく洗面所などでも踏み台として遣えるので、姪っ子の手洗いのときにも使えてます。
耐荷重量150kgなので安心です♪
購入はコチラから↓
欠点は、踏み台がある分、普段より便器から半歩離れたところから座らなきゃいけないので、そこだけちょっと慣れるまで座りにくいかもです。

まとめ

今回は説明では、モデルくんの稼働域が足りずに姿勢によって骨盤の位置や傾きが変わるということをお伝えできず、イメージがしにくかったかと思います。すみません。
わかりにくかったかもですが、とにかく、和式トイレのほうが排便しやすいということ、洋式トイレでも踏み台を使うことで和式トイレと近い姿勢をとることができ、排便がしやすくなる。というお話でした。
気になった方は是非お試しください。月刊漫画雑誌を重ねるとかでも全然OKですので。

 

カテゴリー『IBDの暮らしと健康』はコチラ↓

IBDの暮らしと健康

コメント

タイトルとURLをコピーしました