氷枕・保冷枕の使用で凍傷にご注意

IBDの暮らしと健康カテゴリのアイキャッチ画像。病気との向き合い方や生活習慣、健康豆知識や精神面の工夫をまとめた記事シリーズ IBDの暮らしと健康
IBDの暮らしと健康
この記事は約5分で読めます。

氷枕・保冷枕の使用で凍傷にご注意

熱い熱帯夜、エアコンだけでは暑すぎたり、エアコンの設定温度を低くしすぎると冷えてしまったり、サキュレーターなどで冷気を部屋にまんべんなく行き渡らせても、背中だけ暑くて寝苦しかったり、あると思います。
そんなときに快適なのが氷枕や保冷枕(アイスノン)などですね。
冷たくて気持ち良い。
けど、使い方を誤ってしまうと凍傷になってしまうので、使用方法には注意が必要です。

今回は凍傷のメカニズムの簡単な説明と、保冷枕使用時の注意点と凍傷対策、そして凍傷になったらどうするべきか、その処置など簡単にお話したいと思います。

 

凍傷のメカニズム

皮膚の温度が25℃に下がると酸素不足、15℃に下がると組織の傷害が始まります。
マイナス4℃になると組織の水分が凍結し、シャーベット状の凍傷が起こります。

「マイナス4℃って、アイスノンでそんなに下がる??」

って思ったかもしれません。

下がります!!

たとえば雨にずっと打たれていたら、強い風にずっと当たっていたら、どんどん体温は奪われて低体温症になってしまいますよね。
アイスノンなどの保冷枕は、冷たい持続時間が氷枕よりもずっと長いです。
長時間に渡って特定の部位に当て続けると、その皮膚組織の温度はどんどん下がっていき、やがて白くなったり水ぶくれのようになったり、皮膚が破れたりといった【凍傷】を引き起こすほどまでに低下してしまうのです。

とくに皮膚の弱い方や、幼児や高齢者などでは注意が必要です。

 

凍傷ってどんな見た目?

程度によりますが、範囲的に赤くなり、中心に近い部分は赤紫色に変色し、最中心部(最も保冷枕と接触していて圧がかかっていた場所)は白色になり、水疱のようになります。さらに酷いと皮がめくれてじゅくじゅくした肉質が顕になります。潰瘍とよく似ています。

かなり痛くて、かなり痒いです。

 

凍傷対策

凍傷対策はそのまま正しい使用方法になります。

①直接肌に当てない。タオルなどを巻いて肌に当たる温度を調節用する。
キンっキン!に冷たければ良い、ということではないんですね。
本来の目的は、首や脇、脚の付け根などの太い血管が走ってる箇所に当てることで血液を冷やし、全身を廻らせ、上がりすぎた体温を適正な体温まで下げることを目的としています。
しかし、極端に冷たい保冷枕を直接肌に当てると、逆に血管が細く締まってしまったり、凍傷の原因にもなるので、タオルなどで包むことでちょうど良い温度に調整する必要があります。

②長時間使用しない。
長時間使用すると体温が下がりすぎたり、当ててる部位の凍傷の原因になります。

長時間とはどれくらい?

これは場合によりけりです。発熱などの場合はそうそう体温は下がらないので体温計でチェックしながら調節するのが望ましいでしょう。
怪我による腫れや、単に暑さによる不快感があるときに使用する場合には、皮膚の温度をチェックする必要があります。
具体的には、皮膚に当たる温度は15℃前後が心地よいとされており、10℃以下になると知覚麻痺や凍傷を引き起こす可能性があるとされています。

しかし、皮膚の温度なんて計れない!

ですので、怪我などのアイシングの目安時間は15~20分くらいとし、1時間ほど休ませてから再度15~20分使用する。
就寝時の暑さの不快感の場合は、繰り返さずに15~20分を一回だけ、と決めておくのも良いでしょう。
手で触れて確認したときに、感覚が鈍くなってる→知覚麻痺なので既に冷えすぎです、直ちに使用をやめましょう。

③就寝中はとくに注意する
眠ってしまっているとどうしても長時間になってしまうので、発熱時を除いてあまり就寝時に使用することは望ましくありません。
就寝時に使用する場合、アラームなどをセットして、心地良い感覚になった頃に保冷枕を外してゆっくりと快適に眠ることが望ましいでしょう。

 

凍傷になったら?応急処置

①すぐに患部を温める
約40~42℃のぬるま湯に患部を浸し、凍結を急速に解除します。

②患部を保護する
水泡がある場合は潰さずに、ガーゼなどでそっと保護してください。既に皮が破れてしまっている場合も同様に、ガーゼなどで保護してください。
範囲が広い場合が多いので、カットバンでは小さいです。大判のものをストックしておくとなにかと便利なので良いでしょう。

③医療機関を受診する
患部をこすったりせず、速やかに医療機関を受診してください。
受診する目安としては、脈打つような強い痛みがある場合、皮膚が白くなったり、水ぶくれができたり、皮膚がえぐれたりしている場合、やけどの範囲が広い、または顔や陰部など皮膚の薄い部分にあたる場合。
こうした場合には受診し、処方されたお薬を塗ってガーゼなどで保護し、数日間かけて回復させます。
結構、長引きます。破れるまでいくとなかなか皮膚って回復してこないものです。

当たり前の常識的な処置で大丈夫です、むしろそれしかやりようはありません。

 

まとめ

氷枕や保冷枕は意外と凍傷を起こしやすいです。購入してから取扱い説明書を読むこともあまりないでしょう。そのため、誤ってしまうと使い方をしてしまっているケースも少なくありません。
必ず使用上の注意を守って正しく使いましょう。

ちなみに、きくらげは毎年凍傷なってます。
夕食後に軽く仮眠をとるのですが、食事誘発性熱産生と相まって背中がとにかく暑くて不快感が酷いので、背中にアイスノンを当てています。
ついつい、アイスノンを外すのを面倒くさがってそのままずっと横になってて、背中の皮がめくれます。
そうなってから気を付けるようになるんですね。
毎年やっちゃってるのに、シーズンがくると必ず一度はやってしまう。
学ばないですねぇ……私のようなことにならないよう、お気をつけくださいね。

 

カテゴリー『IBDの暮らしと健康』はコチラ↓

IBDの暮らしと健康

コメント

タイトルとURLをコピーしました