栄養療法-⑤-経腸栄養剤②その他の経腸栄養剤

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クローン病内科治療
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今回は完全消化態栄養剤エレンタールではない、②の半消化態栄養剤について、各種類ごとの成分と特徴をまとめて解説します。

 

 ②消化態栄養剤(半消化態栄養剤)

エレンタールと同様に、食事の消化による消化管の負担を軽減し、食事の成分による刺激から消化管を守りながら必要な栄養を補う目的で処方されます。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、微量元素をバランス良く配合した半消化態の経腸栄養剤です。

経口、経管の両用で服用できます。

エレンタールと違い、たんぱく質脂質を含むので消化が必要です。

※エレンタールはアミノ酸の状態。

わずかですが、残りカス(便)もでます。

 

半消化態栄養剤の種類

半消化態栄養剤は、完全消化態栄養剤(エレンタール)と異なり、数種類あります。

それぞれの特徴の違いを見ていきましょう。

  • ①ラコール(たんぱく質アミノ酸製剤)
  • ②エンシュア(たんぱく質アミノ酸製剤)
  • ③エネーボ(たんぱく質アミノ酸製剤)
  • ④ツインラインNF(たんぱく質アミノ酸製剤)
  • ⑤イノラス配合経腸用液(たんぱく質アミノ酸製剤)

 

①ラコールNF(たんぱく質アミノ酸製剤)

1ml=1kcal。ラコールは、たんぱく質は日本人の食事のパターンにあわせて植物性たんぱく質(大豆由来)が多めに配合されているほか、牛乳の成分であるたんぱく質も含まれています。

脂肪はn-3系脂肪酸 (α‐リノレン酸)を多く含有するシソ油を配合。n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸が1:3の割合で配合されています。

食事の回でお話しましたが、現在、脂肪の種類によって腸への刺激や、炎症を引き起こす作用に違いが出ると考えられており、ラコールはこうした抗炎症作用のある脂肪酸を配合することで刺激をなるべく抑えながら、必要な脂質を摂ることができるように作られています。

味は昔と違ってかなり改良されて飲みやすくなっており、ミルク、コーヒー、バナナ、コーン、抹茶のフレーバーがあります。

※私はミルクやバナナはあんまり飲みやすいとは感じませんでしたが、抹茶は結構飲みやすいですね。

 

②エンシュアリキッド(たんぱく質アミノ酸製剤)

1ml=1kcal。エンシュアリキッドは、たんぱく質は牛乳成分が中心で、大豆由来たんぱく質も配合されています。

主要な脂質はトウモロコシ油が使用されており、必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸を含み、消化をしやすくする工夫がされています。

ラコールのほうが脂肪酸は良質で抗炎症作用も期待できますが、正直あんまり気にするほどのものではありません。

というのも、エレンタールでなく消化態栄養剤を飲めるコンディションは寛解期ですし、CRPも安定していて特にお腹痛くなったりゴロゴロこない体調を維持できているのであれば、飲んだ手応えとしてはどちらでも全然変化は感じませんので。

エンシュアリキッドで下痢や腹痛がありましたらラコールのほうが良いかもですね。

いずれにせよ医師と相談になります。

また、経管の場合、ラコールよりやや重いため細いチューブを使用すると詰まることがあるので、医師と相談のうえ、使用するようにしてください。

味はバニラ味、コーヒー味、ストロベリー味の3種類があります。

また、ほかにエンシュア・H」(1ml=1.5kcal)という高カロリーの製品もあり、こちらは上記以外にバナナ、黒糖、メロンなど、6種類のバリエーションがあります。

※個人的にはエンシュアリキッドが1番飲みやすいです。安定のバニラとコーヒーがオススメですね。

 

③エネーボ(たんぱく質アミノ酸製剤)

比較的新しい栄養剤ですね。

1ml=1.2kcal。エネーボは、たんぱく質の配合比率が高く、なかでも筋肉をつくるのに必要な特定のアミノ酸が多めに配合されています。

食事量が減った状態が続くと、筋肉をつくっているタンパク質が分解され、筋力が低下することがありますが、このような筋力低下の予防に役立ちます。

脂質はヒマワリ油やナタネ油のほかに、魚油由来のEPA、DHAを含有しています。また、抗酸化作用のあるセレンや脂質代謝に関与するカルニチン、整腸作用が期待できるフラクトオリゴ糖、糖代謝に関連するクロム、酵素の構成要素であるモリブデン、脂質の消化・吸収に関与するタウリンなども配合されています。

食物繊維も含まれており、便が安定しやすくなっています。

コチラもエンシュアリキッドと同様、経管の場合、細いチューブを使用すると詰まることがあるので、医師と相談のうえ、使用するようにしてください。

味はバニラ味のみです。

※個人的にはバニラのみでも味の安定感はイイです。エンシュアリキッドより濃いですが、お腹ゴロゴロきませんし、アミノ酸の配合の高さを実感できます。

主観ですがエンシュアリキッドより元気な、底力感といいますか、たとえるなら『ニンニク卵黄』を飲んでるときみたいな幾分かの元気力を覚えます。

 

④ツインラインNF(たんぱく質アミノ酸製剤)

一番古い、昔ながらからある消化態栄養剤ですね。

A液、B液の2種類の液体を飲む直前に混ぜて服用します。経口摂取が難しい場合は、経管も可能です。

ツインラインは、たんぱく質を消化してできたトリペプチドやジペプチドという、アミノ酸からなる小さな断片が配合されています。

脂肪も配合されており、必須脂肪酸を摂ることができます。

アミノ酸の状態になっているため栄養分はそのまま腸から吸収され、残りかす(便)はほとんど出ません。

※コチラは飲んだことがないので感想はお伝えできませんが、エレンタールの次に万能なことがわかるかと思います。

 

⑤イノラス配合経腸用液(たんぱく質アミノ酸製剤)

※多分1番新しい経腸栄養剤です。

他の経腸栄養剤と同よにたんぱく質アミノ酸製剤ですが、大きな特徴は、187,5ml=300kcal(1ml=1,6kcal)』という、他の経腸栄養剤と比べて最も少ない水分量で、エンシュアHよりも高カロリーであり、各種栄養素のバランスが特に良い配合にあり、1日3パック(300ml×3P)で必要な1日に必要な栄養素を補えるそうです。

飲む量が少なくて済む、というのはありがたいですよね。

しかし、これだけ濃いので飲む速度には注意が必要ですね。ゴロゴロきやすいです。

色やとろみはラコールと似てミルクティーのような色。フレーバーはヨーグルト、りんご、コーヒー、いちご、紅茶があり、濃さのわりにかなりスッキリと飲みやすいそうです。

 

ここまでお話してきましたが、いずれの栄養剤も、エレンタールと同様に量、飲む速度ともに調整が必要になります。

また、下痢や腹痛やお腹の張り、吐き気、アレルギー症状が起こる場合もありますので医師と相談しながら服用していくことになります。

 

次回で栄養剤のお話は終わりになります。

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