便漏れの原因と対策|IBD・手術後にも多い理由と日常でできる工夫

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「便漏れの原因と対策|IBD・手術後にも多い理由と日常でできる工夫」

クローン病をはじめIBD患者さんの多くは便が漏れやすい傾向にあります。また、IBDでなくとも大腸がんや直腸がんの手術後や、高齢、妊産・出産後など、健常者の方々でも起こり得る、日常生活も精神面も非常に厄介な問題ですね。

今回は、便漏れの主な原因について一般情報の簡単な解説と、きくらげが見聞きしてきた範囲と自分の体験をもとに便漏れ対策についてお話していきたいと思います。

まずはじめに主観ですが、便漏れ対策に100%はないものと個人としては思っています。その理由は様々。そんなこともお話していきたいと思います。

どんな日常の工夫をしているかだけ知りたい方はスキップしていただいて、【⑤アイテムを利用した便漏れ対策】をお読みください。

 

便漏れの主な原因

①手術

非常にたくさんの要因がありますが、年齢や性別問わず最も便漏れしやすくなってしまう原因は、第一にやはり手術です。

直腸がんなどで肛門周りの引き締める筋肉【肛門括約筋】を傷付けてしまう、あるいは大腸がんなどで大腸を全摘してしまう、IBDも同様に腸管の多くを摘出してしまう、そうすると腸が短くなってしまい、便性が固まらずに水様便になりやすく、水様便ですと肛門の括約筋で完全に締まっていたとしてもかすかな隙間から漏れやすくなってしまいます。

また、大腸の多くの部分、とくにS状結腸あたりは便をある程度貯めておける場所なので、このあたりを切除してしまうと我慢がきかず、便意がきてからすぐにトイレに駆け込まないと漏らしてしまうことも起こりやすくなります。

また、人工肛門も閉鎖したあとも非常に漏れやすいです。これは一時人工肛門を閉鎖する場合に起きやすいのですが、人工肛門を使っていた間は肛門を使っていないので、肛門括約筋は著ししく低下、これよりって肛門の引き締めが甘く、閉鎖直後は1日に多ければ30回などザラだそうです。しかし、このケースの場合はトレーニングよって大きく改善することも可能です。

※きくらげは閉鎖までの間にひたすらトレーニングしまくっていたので、閉鎖直後でも1日10回すらもなく、経過は非常に良好ですぐに正常範囲内の回数に落ち着きました。

 

②妊娠・出産

妊娠・出産骨盤底筋の低下や出産時に肛門括約筋を傷付けてしまったりすると便漏れが起きやすくなります。

 

③高齢

高齢の場合、骨盤底筋や肛門括約筋の筋量そのものが低下することで肛門が開きやすくなっていて、便漏れしやすくなります。

 

こういった主に3つの大きな要因に加え、細かく分けるとさらに、
生活習慣に起因するもの慢性的な下痢ですとか、硬い便(宿便)が直腸を栓してしまうと便自体は漏れないのですが、水様の腸液のようなものが漏れたりします。

また、過度なストレス、慢性的なストレスなども要因となり得ます。
IBDの方はご存知の通り、ストレスは腸の動きに直結します。ストレスによる自律神経の乱れはIBDだけでなく健常者でも過敏性腸症候群などを引き起こしやすく、我慢のきかない強い便意をもよおしたりしやすくなります。

 

便漏れの種類(便失禁)

こちらも主に3つあります。

①漏出性便失禁: 便意を感じず、知らない間に漏れる。

→とくに夜間の就寝中など。また高齢の方の場合は便意を感じにくくなる傾向が強いです。

②切迫性便失禁: 便意は感じるが、トイレまで我慢できずに漏れる。

→とくに手術による影響の場合が多いですね。外科的な処置をしていなくともストレスによる過敏性腸症候群やIBDの場合、突然にくる強い便意を我慢できないことが多いです。

③混合性便失禁: 上記2つの性質を併せ持つ。

→どんな方もこちらに該当することもありますので、要因はいくつか重なっていることも多いです。

 

ここまでは主な一般情報ですね。勿論のことですが、心配な方はきちんと消化器内科を受診し、医師による適切な診断と処方を受けるようにしましょう。
自己判断でお薬を飲んだり、偏った食事などで制御しようとすると思わぬ問題を引き起こしかねないので、まずは医療を受診しましょう。

 

便漏れの治療と対策

治療としましては、要因によって変わりますのでケースバイケース、診察できなきのでここで断定的なことは言えませんが、あまりに強い便意や激しい下痢が続くときはお腹の動きを抑制するお薬を内服したり、検査によって外科的な処置が必要な場合は手術となります。
いずれにしてもその判断は医師のみが的確にできることであり、自己判断にはリスクが伴います。

市販薬のいわゆる『下痢止め薬』は、確かに比較的強い下痢止め作用がありますが、代わりに腸の動きが止まってしまいお腹が痛くなるというリスクや、最悪の場合、腸閉塞などのリスクも考えられます。

これから会議であったり、冠婚葬祭の最中であったり、どうしても強い便意をすぐに止めたいシチュエーションというのは確かにあると思います。
ですので、こうした市販薬の用途はあくまでも限定的、頓服としてそのときだけ服用するようにしましょう。

市販薬は対処療法にすぎませんので、やはり激しい便意や下痢が続くときは医療を受診することをおすすめします。

 

慢性的な下痢の要因の中には、私たちのようなIBDの可能性の潜んでいまることもありえます。ですので、「下痢しやすいのは昔からだから」とか「いつもそうだし」甘くみないで一度医師による適切な診断を受けましょう。

 

また、強い便意と激しい下痢が続く要因として、感染症ということも考えられます。
食中毒とかですね。この場合、身体は腸管内の悪いものを外へ排出させようと、ゴロゴロさせてたくさん下痢をさせます。

こうしたケースでは下痢はむしろ悪いものを外へ出すという身体の正常な反応なので、これを自己判断で市販薬で下痢を止めてしまうとかえって症状を長引かせてしまうこともありえますので、たくさん水分をとって脱水症にならないよう気をつけつつ、自然に落ち着いてくるのを待つことが望ましいでしょう。
しかし、いずれにしてもやはり医師による適切な診断です。

 

その他、治療法や改善法としましては、自律神経の乱れを安定させるお薬の内服や、腸の動きを弱めの作用で抑制するお薬、食事療法、また肛門周りの筋肉(骨盤底筋や肛門括約筋)の筋量を上げるためのトレーニングを行ったりします。

 

肛門括約筋・骨盤底筋トレーニング

専門的なトレーニングで、様々なアプローチ方法があるのでコレ!とは一概に言えませんが、きくらげが人工肛門を閉鎖する前の段階で行っていたトレーニングを簡単にご紹介します。

医師から受けたアドバイスでは、「手っ取り早く、いつでもどこでも道具も使わずできるのは、『ひたすら肛門を引き締めては緊張をゆるめて、またぎゅーっと引き締める、これをやりまくるだけ」と指導を受けました。

私は10秒くらいきつく引き締め、脱力、また10秒くらいきつく引き締め、脱力、と一日中繰り返してました。

また、ちょっと言語だけで説明するのが難しいので人形の画像を交えて解説しますが、【骨盤底筋トレーニング】というものも推奨されています。

人形を用いた骨盤底筋トレーニングの図解①骨盤ニュートラル

まず、これが最初の姿勢(ニュートラル)。画像の人形は完全な正座ができないのでわかりにくいかもですが、本当はちゃんと正座です。

このように軽く足の幅を広げて足の指を断てて正座し、そこから真上に向かって骨盤からグッと持ち上げます。
呼吸は止めず、お腹に力を入れすぎず、肛門をギュッと締めておならを我慢するようにしつつエレベーターで引き上げるイメージ。

人形を用いた骨盤底筋トレーニングの図解②ヒップリスト(骨盤を真上に上げる)

このとき、腰だけ浮かせたり、前屈みになったりしないで、しっかりと姿勢は背筋真っ直ぐにしてこの上下運動をするのがコツです。

人形を用いた骨盤底筋トレーニングの図解③NG/腰が丸まる(腹筋逃げ)

人形を用いた骨盤底筋トレーニングの図解④NG/腰だけ反る(腰椎代償)

 

③のように腰を丸めると、お尻周りの筋肉は締まりません。

また④のように腰だけの反りをしても、お尻の筋肉は締まりませんし、なにより腰椎へ強い負荷がかかるので危険性もあります。

 

正しい姿勢でできると、主に肛門挙筋外肛門括約筋といった排便コントロールの中心筋が強化されます。

かなり太ももの内側の筋肉も使いますし、広い範囲の骨盤周りの筋トレにもなります。

あんまりこういうことを言いたくはないのですが、このトレーニング方法を教えると、高確率で「エロい」と揶揄されます。成人でしたら確かにある行為を連想するかもしれませんが、こちら大真面目です。

現に医療では、人工肛門閉鎖後のリハビリとして、『骨盤底筋再教育』、『排便コントロール回復』、『便失禁予防』のために行われています。
IBDや直腸手術後ではかなり標準的なトレーニングです。

ちなみに、医療現場での呼び方としては、『骨盤底筋トレーニング』、『肛門括約筋トレーニング』、『排便コントロール訓練』、などと呼ばれることが多いです。一貫してないようでそうでもなくて、総じて骨盤周りの筋肉を鍛えるトレーニングであり、同時に排便コントロールの訓練でもあり、どの呼び方も間違いでもなんでもないので、覚えやすいやつで覚えておくと良いでしょう。

細かい所作は異なりますが、このようなトレーニング方法は実際、乗馬は勿論のこと、美容関連のトレーニングジムなどでも行われていて、膝立ちヒップリフト、ニーリングヒップエクステンション、グルートスクイーズなど、お尻の筋肉強化や腰椎予防、腰周りの動作のトレーニングとしても行われています。

断じて、下ネタではありません。

 

きくらげもこのトレーニングは毎日しっかりやりました。このトレーニングは1日何回とか決まっているわけではなく、やればやるほど良いのですが、回数よりも続けることがなにより先決です。自分が続けられる範囲で頑張りましょう。

さて、トレーニング方法は様々ですので、まず専門家の指示を受けることは前提ですが、やりやすく続けようやすい、自分に合う方法が身に付けられると望ましいですね。

 

アイテムを利用した便漏れ対策

ここからが本題ですね!前置きが長くなりましたが、実際に便漏れを繰り返す日常では、漏れは不可避。いつ漏れても心配ないような対策や、漏れてしまったとき衣類など洗濯物を増やさない工夫などが必須になります。

やはり、最も心強いのは紙オムツですね。

ちょっとだけ腸液のようなものが漏れる程度でしたら生理用ナプキンや失禁パッドなどの使い捨てアイテムで対応可能ですが、量によっては吸収量を超えてしまうので、やはりオムツです。

大腸全摘をした方や、私くらい手術を繰り返した患者さんの場合、一日中オムツして仕事をしてる、なんて方も少なくはありません。

※不幸中の幸いなことに、私は平均よりも腸がかなり長かったらしく、ギリギリ一日中オムツ生活にならずに済んでます。でもたまに漏らします。

 

ここで課題になるのが、コストや手間との天秤です。
紙オムツは使い捨てですので洗濯しなくて済みますが、消耗品ですので1日分何枚も、となりますとどうしてもコストがかかりますね。
洗える布オムツなどは消耗品ではないのでコストは大きく抑えられますが、吸収力は紙オムツのほうが比較的高いですし、洗濯という手間は必ずあります。
どちらも一長一短。
なので冒頭でお話した通り、100%はなかなかないです。

シチュエーションで考えてみると、
日中の場合、これは布オムツでは対応しきれないでしょう。とくにお仕事をしてる場合はお外でオムツの洗濯はできませんからね、紙オムツしか選択肢がないかと思います。

工夫を凝らせるとすれば、夜間の就寝中でしょうか。
ここは工夫の余地が大きいと思ってます。

 

ここからはきくらげの潰瘍性大腸炎(大腸全摘)知人の方から聞いてるお話やきくらげ自身の工夫など、体験談ベースでご紹介していきたいと思います。

①マットレスへの被害を防ぐアイテム
頻繁に漏らさない場合は、マットレスへのダメージだけを防げれば⭕と思ってます。勿論、パンツ、パジャマの汚れは避けられませんが、毎日オムツを履くのもムレますし、心地が良いものではないので、最低限の対策としてマットレス用防水シーツが無難なことろと思います。
きくらげはこのようなアイテムを使ってます。

ケラッタ 防水シーツ商品画像/Amazonより

ケラッタ 防水シーツ おねしょシーツ

私は普段はまったく漏れないので、これでひとまず十分。犬がたまに吐くので、これのおかげでマットレスダメージは防げてるので助かってます。

 

②本格的に大量に漏れる場合のアイテム
ここは個人によって判断が変わりますので、参考までに。
まずは紙オムツ。
潰瘍性大腸炎の知人の話では、全摘したあとは長らく夜間の大量漏れが酷かったそうで、色々と試したそうですが結論、やはり紙オムツが都合良かったそうです。
というのも、布オムツでは吸収力不足、そして洗濯物増えるのが難。
さらに、紙オムツに加えて防水ズボンを履いて、さらにそれでも隙間から液体が漏れ出すので腰に使い捨ての介護シーツを巻いて、さらにマットレスカバーの腰のあたりにも介護シーツを敷いていたそうです。
ここまで徹底しないと被害を防げないというのは、QOLの面でも精神面でもダメージが大きいですね。

 

③たまにそこそこ漏れる場合のアイテム
きくらげは普段は全然漏れないのですが、たまに少しだけ腸液が漏れ出てることがあります。そういうとき、寝る前の時点でなんとなく感覚的に「今日漏れそうな気がする」って感じるので、保険として布オムツを装備しています。

AGWELL 失禁パンツ 防水パンツ 商品画像/Amazonより

AGWELL 失禁用パンツ 防水パンツ

基本スペックは300cc。これはユニセックスで便漏れだけでなく失禁にも対応してて、男性にも対応してるので前面の吸収素材面積も大きく、そこから背面のお尻までかなり広範囲に吸収素材があり、たいていの場合はこれで十分事足りてます。
肌に触れる面は綿素材なので肌触りさわりますは良いです。

私がいくつか使ってみた手応えとして、この手の布オムツでは個人的にはブリーフタイプ(普通のショーツ型)のよりもトランクス型のほうが防御力は高かったです。
ブリーフタイプは裾から漏れやすい、はみ出しやすかったです。トランクス型のほうが太もものほうまでちょっと生地があるので安定してますね。
ただし、外側がビニール生地ではないため、外から触ると濡れはしませんが少ししっとり感はあります。完全防水とはいえませんね。でも浸みたりはしてません。

日常、日中仕事などで使いたい場合は150ccのブリーフタイプですと、アウターに響きにくいかと思います。ただ防御力は少し劣りますので、万が一の保険みたいなつもりで、ですね。

 

そして冬場、肋間神経痛がでているとき(自律神経の乱れが強い)、ごく稀に結構な量漏れることがあります。そういうときの対策として防水パンツも装備しています。

AGWELL 防水ズボン 大人用介護パンツ 商品画像/Amazonより

AGWELL 防水ズボン 大人用介護パンツ

これは別の意味でも重宝してます。温かいから。通気性はどうしても低いので温かくて良いです、でも夏場は地獄なので使ってません。
こちらも肌に面してるところは綿素材なので肌触りは良いです。綿と防水シートと消臭吸水シートの三層になっていて、通気性悪いとはいってもこの手のアイテムの中ではマシなほうって感じますね。裾がリップデザインになってて絞られてるので、そこからの漏れも予防できます。

 

これらすべてを使えば、相当に衣類やマットレスへのダメージは防げるのかと思いますが、現状はそこまではしてないです。
お腹の調子が悪いときや、経験上その日なんとなく不安あるときだけ装備して寝てみて、結果そこそこ漏れてたりするとき、装備しといて良かったと実感しますね。

だだ、どうしたって洗濯物が増えます。ここがやはり個人によって判断の分かれ目。
多少洗濯物が増えても大丈夫な方には洗えるタイプでも良いでしょうけど、忙しくてそんな暇がない方もまた多いと思うので、そういった方の場合はやはり使い捨ての紙オムツになりますね。

夜間便漏れのときは、寝起きはとくに、お尻周りの汚れがあるのでシャワー浴びなきゃいけないので、洗ったりしてる余裕のない方が多いかもしれません。きくらげはシャワー浴びながら布オムツは手洗いしてそのままシャワーからでたら物干しにかけてます。そうそう、これもあった、通気性が低いので乾きにくいのも布オムツの難点ではありますね。

 

まとめ

便漏れの原因には、お腹の手術後や妊娠・出産、加齢、筋力の低下、強い慢性的なストレスなど様々な原因があります。また、感染症などによっても強い下痢症状から漏らしてしまうこともあります。

治療としては原則、医師の判断になりますが、過敏なお腹の動きを抑制するお薬や、ストレスによる自律神経の乱れを調節するお薬、そして場合によっては手術による外科的な処置が必要になる場合があります。

便漏れ対策としては、肛門の筋肉のトレーニングによって引き締め効果を高めること、そしてオムツなどによる対策が必要になります。
オムツには紙オムツと洗える布オムツ、また防水マットレスシーツや防水ズボンなど対策アイテムは様々ですが、どれが1番望ましいかという正解はなく、個人のライフスタイルや考え方によって選択肢がないかとは変わってきます。

悩ましいですよね、本当に。自尊心もやられる。せめて日常生活が困難にならないよう上手に自分に合うスタイルを確立させたいですね。
みなさんはどのような工夫をしていますか?
今回の記事が便漏れに悩む方の一つの参考になれば幸いです。

 

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