IBD患者の持ち物|外出時に必ず持っているもの
IBD患者にとって、外出時の持ち物は普通の「荷物」ではなく、安心して外で過ごすための備えでもあります。
ないと不安で、どうしても出不精になりがちになってしまいますよね。
あるとそれなりに安心できます。
私自身、常備薬はチャック袋に入れて、バッグだけでなくポーチや上着のポケットなど、いくつかの場所に分散して入れています。
「いつものバッグを変えたら薬を忘れた」という事態を防ぎたいからです。それでも使ったのを忘れて補充し忘れてることもあるんですけどね……。
そのうえで、外出時間が長い日、食事の予定がある日、冠婚葬祭などすぐに動けない日は、さらに漏れ対策や着替え関連のものを追加しています。
今回は、IBD患者の持ち物としてよく挙がるものと、実際に役立ちやすい備えを整理してみます。
IBD患者の持ち物は大きく分けて3系統
IBD患者の外出グッズは、だいたい次の3系統に分かれます。
細かいことは後述します。
①いつもの治療用品
- 常備薬
- 頓服
- お薬手帳の情報
- 必要に応じて受診先や服薬内容のメモ
まず最優先になるのは、やはり薬ですよね。
患者向け情報でも、旅行や外出時の基本として、薬は必ず持参し、必要なら予備も確保しておくことが勧められています。
②漏れ・汚れへの備え
- 吸水シート
- おりものシート
- 生理用ナプキン
- 替えの下着
- 汚れ物を入れるビニール袋
- ウェットシート
- ティッシュ、トイレットペーパー
- 手指消毒
海外の患者団体でも、外出用の緊急キットとして、ティッシュ類、ウェットシート、汚れ物用の袋、替えの下着や衣類を持つことが繰り返し勧められています。
③トイレに早くたどり着くための備え
- トイレを借りたい時に使う簡単なカード
- ヘルプマーク
- トイレ検索アプリやマップ
- 協力施設の情報
IBD患者の備えは、持ち物だけでなく「どこでトイレに行けるか」を把握しておくことまで含まれます。
日本では、IBD患者向けの協力店トイレMAPも公開されています。
普段から持ち歩きやすい定番アイテム詳細
ここからは、実際に持ち歩きやすい定番をまとめます。
①常備薬
私の場合は、常備薬をチャック袋に入れて、複数の場所に分散しています。
バッグを替えても困らないので、この方法はかなり実用的です。
⚠️注意点⚠️
お腹が痛くて鎮痛剤を服用することもあるかと思いますが、鎮痛剤は健常者でもお腹へのダメージがあります。
とくIBDではロキソニンなどのNSAIDs系の鎮痛薬が腸管に悪影響を及ぼすことがあるため、自己判断で常用しないほうが安心です。必要時の扱いについて主治医に確認しておくのが大事だと感じています。
「医師が服用しても良い」と言うことが多いので安心してる方も多いかもしれませんが、腸管への悪影響は医学的事実ですし、主治医も多くの場合は「なるべく使ってほしくないけど、どうしてもやむを得ない場合は頓服としてなら仕方ない」という感じなのではないかと思います。
少なくとも私は主治医からは明確にデメリットを言われた上で、あとは自己判断と言われてます。そして個人的には絶対にロキソニンだけは服用しません。
鎮痛剤には気をつけましょう。
また、下痢止め薬にも注意が必要です。作用が強くでてしまうとお腹の動きが抑制されすぎて痛みや膨満感、吐き気、便秘などを伴う場合があります。IBDの場合は医師に服用しても良いか確認することと、できる限りは市販薬ではなく処方薬にすることが望ましいです。
②吸水シート・おりものシート
IBDでは、少量の尿漏れや水分の多い便漏れ汚れに備えたいことがあります。
そのため、生理用品だけでなく、吸水ケア用品もかなり相性が良いと感じます。
ここで男性はあまり知らないかもしれませんが、生理用ナプキンとおりものシートの違い。
パッと見、生理用ナプキンって大きいし分厚いから防御力高そうに見えますよね?でもそうとは限らなくて、ナプキンは粘度の高い液体に強く、粘度の低い水っぽいものには弱いんです。経血って結構ベトついてるんですよ。
対しおりものシートは粘度高いのに弱く粘度低い水っぽいのに強いです。
つまり、水様便が漏れがちでしたらおりものシート、うんちに近い下痢便ならナプキンのほうが相性が良い、ということになります。
具体的に実務的なお話しますと、
おりものシート本来の感覚に近い軽さで使いたい場合は、30cc前後、少し不安がある日は50cc前後、長時間外出や会食の日はさらに吸水量の多いものという使い分けがしやすいです。
ロリエの吸水ケアシリーズでは、吸水ライナー・吸水ナプキンとして 3~10cc、15~50cc、80cc などの段階があります。
チャームナップでも 30cc や 70cc の商品があり、少量~中量用として展開されています。
私の感覚では、30ccでは正直心もとないです。IBDですとヒャッとちょっと漏れがしばしばあるかと思いますが、30は弱いですね。50ccは最低ラインとして持っておきたい、と思います。
そのうえで、長時間外出や食事の予定がある日は、もっと吸水量の高いものを追加すると安心です。
ウィスパーには公式上、中量用 80~170cc の帯があります。
どのメーカーさんからも幅広くでてますし、どこのメーカーが優れているとかはないので、メーカーさん選びは完全にお好みですね。
とにもかくにも、量が多めのものはおりものシートでなく吸水シート、って覚えておくと商品が探しやすいかと思います。
※ただし、おりものシートや生理用ナプキン、吸水シート等の注意点として、「吸水面がどこにあるか」、と「吸水面の面積や形状」です。
これらは本来女性用なので、言葉の表現難しいですが女性の尿が出る位置に吸水パッドがついています。形状も面積は狭く幅も狭いです。
そのため、肛門側の面積は少ないので、便漏れに対しいくばくか防御力には脆弱性があります。
ですので工夫として、通常よりもやや後方に貼り付けるといった手段で防御力を上げたりします。
③替えの下着
下着の替えは鉄板です。
特に、100円ショップの使い捨て圧縮パンツのように、かさばらずに入れられるものはかなり便利です。
何枚か入ってるので、小分けにして1つずつ、常備薬と同じようにあらゆるバッグやポーチに忍ばせておくと心強いですね。
最近、広げてみると結構地厚で丈夫で、昔みたいなペラっペラなものでない商品が出てきてて、100円ショップありがたいですね。
災害用の圧縮パンツは水をちょこっと足らすと膨らんで広がるタイプで、こちらはかなり薄くペラペラです。サウナ用とか表記されてるもののほうがややしっかりした作りにはなってます。でもやはりかなり薄い。もっと質が良いのがトラベル用と表記されてるものですね。これがなかなか丈夫で良いです。
それでも薄いので、重ね履きもアリ。
個人的にはメンズのボクサーパンツのほうが強くて安定感があるように感じます。
④ビニール袋
汚れ物を入れる袋も必須ですね。
ジッパー付きでも普通のレジ袋でもよく、1枚あるだけでかなり違います。
こちらもやはり100円ショップが強いですね。
防臭でチャック付きの黒い汚物用のビニール袋など20枚入りとかで売ってるので、これも小分けしてあちこちに忍ばせます。
臭い対策も必要なので、防臭能力の高い袋が望ましいですね。
⑤ウェットシート・ティッシュ
外のトイレは設備差が大きいので、拭き取り用品は自前で持っていると安心です。
患者団体の外出・旅行情報でも、ウェットシートやトイレットペーパーの携帯が勧められています。
トイレットペーパーとまでいかなくとも、水に溶けるティッシュペーパーはトイレットペーパーがないという緊急事態のとき命綱になりますので、私はいつもティッシュペーパーは水に溶けるものを携帯してます。
まぁこのへんはIBD関係なく普通に持ち歩きますよね。
長時間外出・会食・冠婚葬祭の日に追加したいもの
普段の外出より、「すぐにトイレへ行きにくい日」は持ち物を少し増やしておくと安心です。
- 吸水量の高いシート
- 替えの下着
- 消臭袋
- ウェットシート
- ビニール袋
- 飲み物
- 口に合う軽食
- 必要なら替えのボトムスやストッキング類
だいたい、いつもと同じなのですが、いつもよりもスペックの高いものが望まれますね。旅行や長時間外出向けの患者向け情報でも、衣類の替え、におい対策、脱水対策などが挙げられています。
冠婚葬祭や会食は「その場で自由に抜けにくい」、「服装の替えがききにくい」ので、普段より一段階しっかり備えておくと安心です。
ここは判断が好みでも割れて難しいところですが、吸水シートのレベルではなく、吸水パンツ・尿もれパッド系のレベルで備えて行くのも十分アリだと思います。
最近は服に響きにくい薄型で、吸水力の高い商品もかなり増えています。
ライフリーですとおよそ300cc(【トイレ2回分:1回の排尿量150ccとして2回分】と表記されてます)とかの使い捨て吸水パンツもあるので心強いです。
ここ、あくまでも吸水量は排尿量としてなので、かなりの水様便か普通の下痢便かによって実際の防御力は変わってきます。すごくたくさんでてしまう場合、もっと容量の大きい600ccなど商品はありますが、ここまでくるとさすがに結構ちょっとゴワつきもでてきますので、「多分なんとか耐えられるはずけど、長時間にたるから念のため」くらいの場合でしたら、300ccあたりが妥当なところなかと思います。

ドラッグストアで、お試しパック(2枚入り)とかありますので、普段漏れがない方、でも万が一に備えて持っておきたい、そんなとき34枚袋よりもお試しパックのほうがスペックを気軽に試せるし備えにもなるので良いのかなと思います。私も常備はしてます。
大きいドラッグストアですと、実際の商品をそれぞれ見て触れるように展示しているところもありますので、ちょっと見かけたら手にとって見てみててください。
きくらげはライフリーの超うす型お試しパックを買って試しました。薄いです、ズボンに響きにくいです、よほど薄くてピッチリしてるズボンでない限り、外から見ただけではバレやしないと思いました。
※便漏れに関してきくらげの体験談、やはり冠婚葬祭で一度少し漏れてしまったことがありますが、不幸中の幸いで500円玉より大きめのシミ程度の腸液だったので良かったですが、その時点では落ち着くわけはなく、早くトイレ駆け込みたいだけドバーって漏れそうな気配がありました。
トイレに駆け込んだら案の定ドバーっとです。もしこれがパンツの中で出ていたらと思うと恐怖、やはり300ccはほしいところですね。
ちなみに、寝るときの夜間便漏れ対策としては300ccの布製の吸水パンツを使ってます。
脱水対策としてはOS-1などの経口補水液1本は持っていきたいですね。
トイレ対策として持っておくと安心なもの
①ヘルプマーク
体調の見えにくさを周囲に伝える意味では、やはり基本ですね。トイレ対策だけでなく、長距離移動中に電車やバスなどで優先席を譲ってもらいたいときにも活かせます。たまに、嫌なことを言う健常者もいますが、悲しいですがそこは仕方ありませんね……。
②自作カード
日本では、海外のように日常的に広く定着したIBD専用の『トイレ緊急カード』があるわけではありません。
※海外ではあるとこにはあるんですよ、素晴らしいですね。
海外では Crohn’s & Colitis UK などが、急いでトイレが必要なことを伝える「Can’t Wait Card」を案内しています。
そのため、日本では自作カードしかありませんが、それでもかなり実用的です。
例えば、
「炎症性腸疾患のため、緊急にトイレが必要になることがあります。ご配慮をお願いいたします。」
といった簡単な文面を財布やパスケースに入れておくと、ヘルプマークだけより伝わりやすいと思います。
IBDステーションでは、こうしたカードを公開していてPDFファイルでダウンロードできます。必要なところは手書きできるようになってます。
ちなみに、きくらげは自作のを用意してます。
IBDステーションはこちら↓
トイレ検索ツール
ブラウザやアプリなどがあります。
①【I know IBD の協力店トイレMAP】
こちらはブラウザですね。IBD患者にトイレを貸してくれる協力施設・店舗を探せる取り組みがあります。

②【Googleマップ】
結局いちばん早いことも多く、駅・商業施設・コンビニ・公衆トイレ検索に使いやすいです。
I know IBD 側でも近隣トイレ検索の手段として案内されています。
③【トイレ情報共有マップくん】
こちらはアプリです。Googleプレイから無料でダウンロード・利用できます。
設備情報や絞り込みができるので、トイレ特化で探したい時に便利です。
私なら、『Googleマップ+トイレ情報共有マップくんを普段使い』、『I know IBD 協力店MAPを補助的に確認』、という使い方が現実的かなと思ってます。
※がっ!実のところ、私は使ってません。一応、インストールはしてますけど、なにぶん、職場と病院くらいしかほぼ外出しないもので!!
冠婚葬祭とかある場合は事前にトイレ場所は調べておきますしね。
肛門まわりのトラブル対策グッズについて
痔瘻や肛門まわりのトラブルがある人にとっては、塗り薬も重要になることがあります。
ただし、ここは少し整理が必要です。ベテランさんには説明不用かと思いますが、ビギナーさんのためにご説明しますと、
痔瘻そのものの治療は、基本的には軟膏が主役ではなく、ドレナージや全身治療が中心です。
肛門周囲膿瘍や痔瘻の治療は、ガイドラインでも切開排膿などが原則とされています。
そのため、軟膏はどちらかというと、『肛門周囲の痛み、炎症、ただれ、かゆみなどを和らげる補助的な位置づけ』、と考えるとわかりやすいです。
※治療の話なので少し反れましたがこのへんは正しく理解力しておきましょう。
処方薬で名前を聞きやすいもの
- ボラザG軟膏
- 強力ポステリザン軟膏
- ヘモレックス軟膏
これらは、痔疾用剤として知られている代表名です。
市販薬でよく見かけるもの
- ボラギノールA軟膏
- ボラギノールM軟膏
- ボラギノール プレミアム軟膏
- プリザエース軟膏
- プリザエース注入軟膏T
市販薬も種類は多いですが、外側のヒリつきや違和感に使う軟膏タイプ、内側にも使える注入タイプなどがあります。
ただし、膿、熱感、強い腫れ、明らかな感染っぽさがある場合は、軟膏で様子を見る対象ではなく受診優先です。
ここは痔と痔瘻・膿瘍で話が変わる部分です。
治療の複雑なお話は反れますのでこの記事では控えますね。
軟膏はかゆみ対策や皮膚の保護目的、として用意することが望ましいです。
まとめ
IBD患者の外出時の持ち物は、人によって少しずつ違うと思います。
ただ、大きな軸としてはやはり
『薬などの治療用品』、『漏れや汚れへの備え』、『トイレへ早くたどり着くための準備』、
この3つが中心になると感じます。
私自身は、常備薬を分散して持ち歩くことに加えて、状況によって吸水シートや替えの下着を追加しています。
特に長時間外出、会食、冠婚葬祭のように「すぐ動けない日」は、普段より一段階しっかり備えておくと安心です。
同じIBDでも症状や不安のポイントは人それぞれ違うはずなので、最終的には自分に合う『外出セット』を作っていくのがいちばんだと思います。
完璧な備えは難しくても、“自分が少し安心して外に出られるセット”を作っておくことは、IBDと付き合ううえで大きな助けになるかと思います。
カテゴリー『暮らしと健康のヒント』はコチラ↓



コメント