受給者証のおさらい・医療費に困ったら

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『クローン病と確定診断されたら』と重複するお話ですが、以前は触れていなかった受給者証の細かなところ、とくに医療費について意外と知られていないことなど、ご説明していきたいと思います。

※都道府県によって違うこともありますので、あくまでも参考にしていただいて、正確なことはお住まいの各種機関へお問い合わせをしてくださいませ。

さて、まずはおさらいです。

 

『特定疾患医療受給者証』とは?

特定疾患医療受給者証とは、『国が指定する難病』に罹患した対象者が、住所地を管轄する保健所へ申請し、認定を受けることで発行され、医療費の助成を受けられるものです。

受給者証の見本↓

管轄によって微妙にレイアウトが異なります。

 

国が指定する難病とは

難病法の2つの条件を満たす難病を指します。

  • ①難病定義
  • ・発病の機構が明らかでないこと
  • ・治療方法が確立していない希少な疾病
  • ・当該疾病にかかることにより、長期にわたり療養を必要とすること
  • ※ただし、がんや精神疾患、感染症、アレルギー疾患など、個別の施策体系が樹立されているものは除く
  • ②指定難病
  • ・患者が本邦において一定の人数(人口の0.1%程度)に達しないこと(※)
  • ・客観的な診断基準(またそれに準ずるもの)が確立していること
  • ※人口の概ね1/1,000(0.1%)程度に該当する数と厚生労働省令において想定している

とされています。

ようするに難病は単に一般的に「治療が難しい病気なんだよね~」という病気の俗称ではなく、明確に法律によって定められた病気のことを指し、定義上『難病』でない病気はどれだけ治療が難しくとも難病とは言いませんし、該当しません。たとえば治療が困難な癌であったりしても難病法の範疇でなければ難病ではありません。

難病のすべてを知っているわけではないのでちょっと正確なことはわかりませんが、①は満たしていても②は満たしていない難病もあります。

②の患者数が人口の0,1%を超えている(数が多い)場合は、『難病』ではあっても『指定難病』ではありませんので、特定疾患医療受給者証の対象からは外れることになります。

例)

関節リウマチ』は指定難病ではありませんが(患者数が多く、症状の程度も難病という枠ではないと判断されている)、『悪性関節リウマチ』は指定難病です。

そのため、『関節リウマチ』は受給者証はなく、一般的な高額医療に対する補助制度があるだけです。

難病と認められていないからといって、軽いというわけではないし、患者本人は辛いのですけど、国のお金は無尽蔵ではないので難しくですが仕方のないところもありますね。

IBDはどちらの条件も満たしているため、対象となります。

 

『特定疾患医療受給者証』があるとどういうメリットがある?

指定難病は治療法が特殊で、一般的な治療ではありません。長期間に渡り、高額な治療を継続する必要があります。

生物学的製剤などでは一回で数十万円も医療費がかかることもあります。こんな治療を続けていたらすぐに破産してしまいますよね。

なので、『指定難病』に限っては医療費の患者負担額を軽減できるようにした証明書が『受給者証』で、これには負担額には上限が設けられており、その額を超えて医療費を請求されることはない、そうした助成が受けられるようになります。

そのため、受給者証の取得は治療上必須となります。

たとえば上限が1ヶ月あたり2万円だった場合、どんな検査をしても、どんな治療をしても、どんな手術をしても、自己負担額は2万円です。

※適応される病気はあくまてまも指定難病であり、それ以外の怪我や病気には適応されません。

※また、あくまでも対象となるのは医療費であり、ベッド代は対象外です。そのため、1日6000円の部屋に30日入院したら180000円は自己負担になります。

保険の見直しも肝要ですね。最近は一年間入院・手術歴がなければ加入できる保険もあります。

個人的には入院給付金は日額8000円~10000円にして契約すると赤字にならずに安心できます。

 

自己負担額の上限はどうやって決まる?

世帯収入や納税額によって自己負担限度額の上限が1~3万円と決まっています。

たとえば私の場合は5000円と最下限です。私の収入で最上限の30000円でしたら生活できません。このように、保健機関(保健所)の審査によって、収入が多い方は上限が高め、収入が少ない方は上限が低め、という形に決まります。

※この上限は毎年の特定疾患医療受給者証の更新の際に収入や、病態の重さ、程度によって変わることがあります。ここが要注意ポイント。次回お話します。

 

 

ここまでがおおむね以前お話した内容かと思います。

ここから先は追加分。新規申請の流れや医療費の工面などについてお話していきます。

 

新規申請に必要なこと

まず、申請には当然のこと、指定難病であるという確定診断が必須になります。

確定診断された後に申請がはじめてできるようになるわけですが、申請の流れとしては、

  • ① 難病指定医に臨床調査個人票(診断書)を主治医に記入してもらう。
  • ② 必要書類をそろえ、お住まいの市区町村へ申請する。
  • ③市区町村から都道府県へ書類が送付され、 審査が行われる。
  • ④ 認定された方には指定難病医療受給者証が発行される。

になります。

この、①の診断書とは、インフルエンザなどに感染した際に会社に提出するような一般的な診断書ではありません。

発症年月日や、どのような検査を実施したか、どのような治療を実施したか、家族に同疾患はいるか、自分でできる日常生活の水準はどれくらいか、事細やかな項目のある専用の診断書で、これを『臨床調査個人票』といいます。これは毎年必要になるので覚えておきましょう。

『申請書(特定医療費支給認定申請書)』一式は、住民登録がされている居住地の保健所等で入手できます。

問い合わせしてみましょう。

②の必要書類とは、保険証や住民票、市町村民税の課税状況が確認できる書類収なになります。

必要になるものは個人によって差異がありますので(収入や扶養家族など)自分の場合にはどれが必要かは、申請書一式にフローチャートチェックリストが記載された説明書がついておりますので、きちんと確認しましょう。

不備があると後から書類をまた郵送しないといけないため、受給者証が届くのがとても遅くなってしまいます。

③都道府県が受給者証を発行するため、都道府県による差異もあります。(審査に必要な項目など)

おおむね3ヶ月ほどで郵送されてきます。

※届くまで時間がかかる、というところが大きなポイントになります。

 

受給者証が届くまでの間の治療費・病院と相談しよう!!

ここがみなさん最初に不安になるところですね。受給者証がないと高額な適切な治療が受けられない、と思い込んでいる方も少なくないのですが、病院との相談によって対応可能です。

法的システムとしては、受給者証がない場合の難病治療費にはどうしても助成はなく、患者自己負担になります。

しかし、受給者証が届くのを待っていたら手遅れになってしまうケースもございます。

病院側に相談しますと、後払いにしてくれたり、分割払いにしてくれたり、高額ではない標準治療薬と栄養療法によって悪化を食い止める方針をとったり、法的システムがないので病院によってまちまちではありますが、患者さんの状態に応じて対応してくれますので、受給者証明がないからといって最初から治療を諦めるという判断はしないほうが望ましいです。

また、受給者証が届きましたら過去に支払った分と上限額の差額分は払い戻しがあり返金されますので、先に出すことに変わりはありませんが大部分は戻ってきます。

とにかく!諦めずに相談しましょう。

 

医療費が用意できない!!そんなときに活用できる、難病に限らず利用できる医療費の公的制度

受給者証が届くまでの医療費の工面として、家族を頼るというのが手堅いところかと思いますが、頼れない場合も勿論ありますよね。
そうしたとき、難病に限らずに利用できる公的な医療費の制度がありますので、是非利用していきましょう。
①高額療養費制度
高額療養費制度は、1ヶ月あたりにかかった医療費(1日から月末まで)の自己負担額が、一定の自己負担限度額を超えた際、超過分の医療費が還付される制度です。
所得税によって変わってきますので個人によりけりですが、一般的な収入(年収400万以下)の場合ですとおよそ80000円くらいが自己負担限度額になります。
(あくまで目安に。ちゃんとした金額は調べてください)
・注意点として、還付されるのは1つの傷病につき一度きりです。怪我や別の病気などで超過した場合には別の傷病になるので申請ができますが、IBDのように治らない難病の場合は最初の一度しか還付はされません。
・また、ベッド代や食事代(常食なら)、先進医療技術など保険対象にならないものは計算には含まれません。
申請書類は保険証に記載されている保険支部(けんぽ協会など)の窓口へ行き直接もらうか、HPからのダウンロードなどが可能です。
国民健康保険の場合、自動的に郵送されてきます。
必要事項を記入した申請書、医療費請求書など必要な書類を用意して郵送します。
こちらは後から払い戻しになるため、還付されるまでには3ヶ月程度かかります。

※私はこれを活用しました。

 

・高額療養費制度は『限度額適用認定証』で窓口負担の軽減も可能

パッとすぐに何十万もする医療費の3割を一時的にとはいえ簡単には用意できない場合もあると思います。
そんなときに活用できるのが『限度額適用認定証』です。
医師からの説明でおおよその医療費がいくらと分かった段階で、あらかじめ限度額適用認定証の交付を受けて医療機関の窓口に提示することで、支払い額が高額療養費制度の限度額分までとなります
つまりMAXの80000円くらいですね。
入院や手術をすることがあらかじめ決まっていて、金額もおおよそわかっていて、費用が払えないかもしれないときには、事前に「限度額適用認定証」の申請をしておきましょう。
・申請には同様に保険証に記載されている保険支部の窓口、もしくはHPからダウンロード可能です。
※こちらは国民健康保険でも自動的に郵送されてくることはないので、自ら書類は得る必要があるので注意です。
・申請書類提出後、加入している公的医療保険が所得区分を認定し、限度額適用認定証が交付されます。

※私はこの制度知らなかったので後から還付でした。

 

②高額医療費貸付制度

高額医療費貸付制度は、高額療養費の支給までの間、手術や入院などにかかった医療費を支払う資金がない被保険者のために、無利子で高額療養費支給見込額の8割~9割相当額(公的医療保険によって金額は異なる)を貸付する制度です。
・申請には、こちらも同様に保険証に記載されている保険支部へ行き、貸付制度のための書類を一式用意します。 HPからのダウンロードも可能です。国民健康保険ですと市役所の保険年金担当課窓口で書類はもらえます。
貸付制度のほうはちょっとだけ揃える書類が変わりますが、主に必要事項を記入した高額医療費貸付金借用書ほか、医療費請求書や被保険者証または受給資格者票、高額療養費支給申請書等が必要になります(加入している公的医療保険によって必要書類は異なります)。
これらを揃えて郵送しますと、指定した銀行口座に振り込まれる仕組みになっています。
こちらは、先に借りる形になるため、家計へのダメージは比較的少なく済みますね。
※①と同様に同一傷病は一度きりなので、IBDの場合は一度きりです。

※医療費を借りれるってことも私は当時は知らなかったです。

 

③付加給付制度

加入している健康保険組合によっては、医療費が1カ月2万5,000円を超えた場合に払い戻しを行うなど、独自の付加給付制度を整えているところもあります。組合によって、『一部負担金払戻金』、『療養費付加金』など呼び方が異なったり、自己負担限度額が異なったりしますので、付加給付制度の有無や内容について、組合に問い合わせをして確認しておくと良いでしょう。

※自分のときどうしたかさっぱり覚えてませんので、ちょっと具体的な説明ができずすみません。

 

④医療費控除
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日の間に、同一世帯で支払った医療費が10万円または総所得金額の5%のいずれか低い金額を超えたとき、その年の所得税や翌年の住民税が軽減される制度です。
確定申告』のときに申請するやつですね。
この制度は難病の有無に関係なく、毎年申請できます。医療費とは病院での治療費、薬代、風邪などの市販の薬代、怪我の治療を目的とした鍼灸・マッサージなども含まれます。
しかし、サプリメントといった健康増進やワクチン摂取などの病気の予防などは対象外です。
受給者証がまだなかった最初の年は控除が大きくなるかと思います。受給者が届いてからの年はそう簡単に大きく超えることがなく、還付も少ないです。
※私の場合、最初の年はかなり多く還付がありましたが、翌年からは10000円届かないくらいしか戻ってかませんでした。手間が多いので最近は確定申告していません。

この計算式はとても複雑なので解説はできません。国税庁などで調べてみてください。

 

⑤その他

・『世帯合算』

自己負担額を世帯で合算できる仕組みのことで、同じ月に家族が病院にかかっていたら支払った自己負担額を合算することができます。1人の自己負担額では高額療養費の対象にならなくても、複数人の合算額が自己負担限度額を超えれば、超えた分が高額療養費として払い戻されます。

申請は保険証記載の保険支部になります。

 

『多数回該当』

多数回該当は直近の1年間(12か月間)に同一世帯で3か月分以上高額療養費の払い戻しを受けている場合、4か月目からは自己負担限度額がさらに引き下げられる仕組みです。これにより、高額療養費制度の適用を受けやすくなります。

申請は保険証記載の保険支部になります。

 

・『自立支援医療制度』

身体の病気や怪我だけでなく、精神疾患や発達障害など心身の障害に対する医療費の自己負担額を軽減する制度です。都道府県や指定都市が実施主体として運用されています。この制度を活用することで、医療費の自己負担額が原則1割まで軽減されます。所得に応じて1か月あたりの自己負担額が設定されており、低所得者ほど低くなります。
申請はお住まいの役所の窓口で可能です。
これらが主に活用できる公的制度です。

⑤その他のほうはいずれもなかなか条件が合いにくいものではありますが、こうした制度もございます。

 

まとめ

・『特定疾患医療受給者証』(一般に『受給者証』と呼ばれる)は、確定診断されたら必須、必ず速やかに申請しましょう。
・申請書類一式は、住民登録がされている都道府県の保健所の支部からもらいます。
・自己負担額の上限は、世帯収入や納税額によって自己負担限度額の上限が1~3万円と決まります。毎年更新があるので忘れずに必要書類はきちんと保管しましょう。
届くまでに3ヶ月ほどかかるので、その間の医療費には注意。
・医療費に困ったら公的制度を利用しましょう。
公的制度の多くは、保険証に記載されている保険機関(けんぽ協会支部窓口や、国民健康保険では市役所)で申請書をもらえます。
けんぽ協会などではHPからもダウンロードが可能です。
今回ご紹介した公的制度の他にも活用できる公的制度はありますので、気になった方はお住いの市区町村、都道府県のHPや役所などに問い合わせてみるとよいでしょう。
とにかく!諦めない!
かなりの長文になりましたが、今回は受給者証の申請や、医療費に困った場合の公的制度のお話をまとめて一気にしましたが、こうした事務的なことは不得手なので、誤りもあるかもしれません。
また、マイナンバーカードの導入によって今後手続きは変化していくかと思います。また都度情報は更新していきます。
今回ご紹介したことはあくまでも参考にしていただいて、ご自身で各種機関へ問い合わせをして確認してくださいませ。

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次回は受給者証の更新についてお話したいと思います。
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