IBDと花粉症②腸内環境を整えよう

IBDの暮らしと健康
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『IBDと花粉症②腸内環境を整えよう』

さて前回に続いて花粉症のお話です。今回は花粉症に効果的といわれている善玉菌について、腸内環境の仕組みと働きと一緒にお話していきたいと思います。

 

花粉症ってどんな病気?あらためておさらい

・『花粉症』とは、花粉抗原による『季節性アレルギー性鼻炎』のことをいいます。

日本国内で多いのは、スギ花粉症ですが、北海道ではシラカバ花粉症が多く発症しています。他にも花粉抗原はたくさんあります。

ハンノキ、スギ、ヤナギ、ヒノキ、シラカバ、カエデ、コナラなど1月から5月にかけて順ににやってきます。

4月頃から6月にかけてはイネ科のカモガヤ、オアワガエリ、ハルガヤ、コムギ、アシ。

キク科は5月頃から12月までヘラオオバコ、ブタクサ、ヨモギ、アキノキリンソウが順にやってきます。

なかでもタンポポは2月頃から10月頃までと長く飛んでいますね。

その他にも雑草は一年中で飛んでいますので、多くの抗原にアレルギー反応を示す方は一年中辛いですね。

※私は一年中です!

 

・主な症状

鼻の症状:くしゃみ、みず鼻汁、鼻づまり、鼻腔の痒みなど

眼の症状:眼・まぶたのかゆみ、異物感、まぶしさ、なみだ目、充血、目ヤニ、腫れなど

その他の症状:咽喉頭の違和感、かゆみ、咳、頭痛、発熱、不眠、倦怠感などがあります。

 

・原因は?

花粉が身体に侵入した時に働く抗体『免疫グロブリンE』と呼ばれるたんぱく質が原因といわれています。

鼻の粘膜には、アレルギー反応を伝える『マスト細胞』がいくつも並んでおり、この細胞は花粉が侵入してくると、鼻の粘膜に集まってきた抗体をしっかりと捕まえる性質があります。

マスト細胞が花粉を捕まえますと、マスト細胞の中の刺激物質『ヒスタミン』という情報伝達物質が細胞の外部に大量に放出され、その結果、血管は拡張し、血管から体液が鼻の粘膜ににじみ出てきます。

これらは花粉を外へ追い出すため、またそれ以上侵入させないために起こります。これがくしゃみや目のかゆみ、止まらない鼻水などの原因になります。

本来、花粉は外敵ではありませんが、花粉症を発症すると、免疫システムは花粉を細菌やウイルスと誤認識してしまい引き起こされます。

 

ここからが本番

腸環境と花粉症の関係性

花粉症の発症には、善玉菌の1種である『酪酸菌』が花粉症の発症に関係していると考えられています。

実際に日本で行われた研究では、花粉症をはじめとするアレルギーの病気をもつ患者さんを対象に腸内細菌を調べたところ、酪酸菌が減少していたことが確認されたそうです。

酪酸菌とは、『酪酸』を作り出す腸内細菌のことで、善玉菌が棲みやすい環境を作ってくれます。

一方で、前回お話した通り、免疫細胞の50~60%は腸管に存在し、

腸内の環境が悪くなり免疫システムに異常が発生すると、花粉症だけでなく様々なアレルギー性の病気を発症しやすくなります。

また、すでに花粉症を発症している場合も悪化しやすくなると考えられています。

※その他にも抗生物質も原因の1つではないかと目されていますが、これについては別途お話します。

こうしたことから、腸内環境の改善が花粉症などのアレルギーの病気の予防・改善につながるのではないかと考えられるようになりました。

 

よく聞く腸内フローラって?

みなさんも『腸内フローラ』という用語をよく見聞きするかと思いますが、腸内フローラとは、

腸内に棲んでいる細菌は、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いています。 この状態がまさに品種ごとに並んで咲くお花畑のようにみえることから『腸内フローラ」と』呼ばれるようになりました。

正式な名称は『腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)です。

※叢の字が難しい!!

私たちIBDは腸内細菌叢のほうが呼び慣れてますかね。

 

腸内フローラの働き

腸内細菌叢は、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が良いバランスといわれています。

※何事もバランスが大事

善玉菌には、納豆菌や乳酸菌、ビフィズス菌などがありますね。

悪玉には、ウェルシュ菌やブドウ球菌などお腹下す症状でも有名な菌ですね。

日和見菌には、連鎖球菌などがあります。

意外と善玉菌の割合が少ないですよね。ですが、日和見菌というのは優勢なほうにつくので、善玉菌が悪玉菌より優位であれば良いのです。

逆に、善玉菌が減って悪玉菌が優位になりますと、日和見菌もそちらにつき、さらにバランスは崩れ、様々な症状が引き起こされます。

善玉菌を増やし、日和見菌が悪玉菌につかせないようにするのことが腸内環境を健康に保つ肝になります。

 

腸内環境を改善しよう

最近は腸内環境を良い状態に保つことを『腸活』なんていったりもしますよね。腸内環境を改善するには、体によい影響を与える『善玉菌』を増やす対策を行うことが大切です。

それが、『プロバイオティクス』と『プレバイオティクス』です。

 

『プロバイオティクス』とは、

抗生物質に対比される用語で、共生を意味するプロバイオシスが語源です。

そしてプロバイオティクスの意味は、『十分に摂取したときに人体にとって有益な作用や効果を与える微生物、またはそれらを含む食品や飲料、製剤』のことで、ひとまとめに善玉菌を指すことが多いですね。

効果

プロバイオティクスの持つ有益な作用』としては、下痢や便秘を抑える、腸内の良い菌を増やし悪い菌を減らす、腸内環境を改善する、腸内の感染を予防する、免疫機能や神経系を調節する、などが挙げられます。

つまり、プロバイオティクスを摂ると、お腹も健康、免疫機能も向上、といった身体本来の力を強める手助けになると考えられています。

プロバイオティクスにはどんなものがある?

プロバイオティクスは善玉菌なので、先に挙げたようにポピュラーな『納豆菌』や『乳酸菌』、『ビフィズス菌』ですね。

ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品に多く含まれているのは有名ですよね。こうした食品を日頃から積極的に食べることで善玉菌を多く摂取するように心掛けることも大切にですが、より効率良く効果的に摂取するには、やはり特定の株が大量に添加されている『特定保健用食品』などが望ましいでしょう。

たとえばヤクルトさんの商品のように『生菌◯◯株400億個』とか表記されてる食品ですね。

※科学的に効果や機能が証明された乳酸菌やビフィズス菌は、特定の菌株に限られています。

※特定保健用食品や機能性表示食品には、研究を通じて効果が確認された菌株が使われています。

また、整腸剤の活用も手軽で手堅いです。

このように、ありていにいって、プロバイオティクスとは『善玉菌を積極的に取り込もう』、ということです。

 

『プレバイオティクス』とは?

プロバイオティクスが人体に有益な微生物を指すのに対し、プレバイオティクスは、

  • ①消化管上部で分解・吸収されない
  • ②大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となり、それらの増殖を促進する
  • ③大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する
  • ④人の健康の増進維持に役立つ

といった4つの条件を満たす食品成分のことを指します。

ありていにいって、プレバイオティクスとは、『善玉菌のエサになる食品を摂ること』、ですね。

効果

プレバイオティクスの摂取により、乳酸菌・ビフィズス菌等の増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用などの人の健康に有益な効果が報告されています。

しかし、ただ単純に善玉菌をたくさん摂ってもなかなか定着はしてくれません。排便で外に出てしまいますから、多く摂るだけでは不十分なのですね。

善玉菌たちも生き物です。ご飯がないと増えてくれません。

腸内環境を整えるためには、善玉菌を摂って、ご飯を与えてお腹の中で増えてくれて、安定して定着することを目標とします。

プレバイオティクスにはどんなものがある?

プレバイオティクスの効果が認められている代表的な食品は、オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸などや、

食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン等)がプレバイオティクスとしての要件を満たす食品成分として認められています。

こんな並べられてもよくわかりませんよね。

列挙された食品で気付いた方もいるかもですが、ようするに『水溶性食物繊維難消化性のオリゴ糖や食物繊維など、胃や小腸で吸収されずに大腸に到達し、善玉菌のエサになる食品のこと』です。

これらは大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になります。
ポイントは体内には吸収されませんが、健康のためには重要な役割を果たしているという点です。

これちょっとわかりにくいかもですが、食物繊維が多く含まれているのはお野菜ですよね。お野菜に含まれる栄養素は消化され体内に吸収されますが、繊維は吸収されずにお腹の中に残って腸内細菌のご飯になり、最終的に繊維はウンチになって排泄されます。

栄養素はちゃんと吸収される→繊維は栄養素ではない、ですね。

ですので、とりあえず『食物繊維の野菜をもりもり食べればイイ』と思っててOKです。

※大量に摂取しすぎると下痢をしてしまう恐れもありますので試しながら加減が必要です。

※オリゴ糖を料理や紅茶などに用いるというのも勿論良いのですが、人によっては却ってお腹を下してしまうこともあります。

野菜としては水溶性食物繊維ですとやわらかい昆布やわかめ、キャベツやブロッコリー、玉ねぎ、バナナなどですとか、やわらかくて歯切れが酔いしれものと思っててOK。難消化性食物繊維ですとゴボウ、アスパラガス、キノコ、こんにゃくなどがありますね。筋っぽい繊維が硬い野菜には多く含まれてると思っててOK。

しかしながら、IBDの場合ですと難消化性の食物繊維はフードブロッケージになって腸閉塞の原因にもなってしまうので、バナナ以外では青汁とか野菜ジュースなどの飲料、あるいはサプリメントで補うのが良いかもしれませんね。

どんな形で取り入れるかは個人の考えと個人の身体の差になりますが、いずれにしても工夫は必須になります。

 

まとめ

はいっ、話を戻しますと今回のお話は花粉症です。花粉症の症状の改善には、腸内環境を整えることが大事、ということです。

腸内環境を整えるためには、プロバイオティクスとプレバイオティクスを積極的に摂取。

プロバイオティクスは、善玉菌そのものの作用によって腸内環境を改善します。プレバイオティクスはそれら腸内細菌のエサとなる食品成分を摂取することによって腸内環境を改善します。

お腹の中で微生物の飼育ですね~(気持ち悪い言い方でしたかね・・・)

また、腸内環境を整えるためには、食事だけでなく適度な運動や十分な睡眠など、生活習慣を見直して規則的な排便習慣をつくっていくことも重要です。

腸内環境を整えることは花粉症対策になるということだけでなく、健常者の方でも下痢や便秘の予防法になりますし、IBDの場合でも炎症を下げる効果がありますので是非実践していきたいものですね。※注

しかし、腸内環境を改善するような対策は安易に自己判断で行うと却って下痢を起こしてしまったり、栄養不良になることもあるほか、花粉症が改善しないということもあります。

治療法』と呼ぶにはちょっと心細い由縁ですね。

※注  よく、「腸活でIBDを治した!」ですとか「腸活で治そう!」とか目にするかと思いますが、まず【治した】【治す】という文言は適切ではありません。

しつこいようですがIBDは未だ根治できません。

腸活が健康に良いことは間違いありませんが、IBDの根治療法として認められてはいませんし、腸活!腸活!とはいっても、身も蓋もない話ですがたとえば潰瘍性大腸炎の方で大腸全摘した方ですとか、私のように短腸で水様便しかでないよう方の場合は意味を感じることはないでしょう。

だって、腸内細菌が生息できる場所切除しちゃってるから。

いずれにせよ、花粉症を抗アレルギー剤といった内服薬に頼らないで完全にコントロールできるとは、限らないということです。

あまりに酷い症状が続くときは、自己判断せずに耳鼻科を受診しましょう。

お薬を頼ることも時には大切です。

効果は弱いけれど副作用がなく通年で何年でも服用できる抗アレルギー剤を服用し続けることによって、大きなアレルギー反応を抑制する治療法もありますし、鼻水を抑える漢方などもあります。

先生に相談してみましょう。

※ちなみに、自己判断でドラッグストアで抗アレルギー剤を購入するよりも病院で処方してもらったほうが何倍も安いです。

2ヶ月分の処方でおよそ1200円程度です。

こうした医療費の面も含めて、耳鼻科を受診することをオススメします。

 

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