ここまでざっくりと前提的な知識のお話をしてきましたが、ここからはクローン病メインに掘り下げていきたいと思います。
クローン病の病変部位は口から肛門までのすべてですが、主たる部位は小腸、大腸、直腸、肛門になります。
どのような病変があって、どのような症状があるの?
まず先に重症ケースのお話からしたいと思います。
クローン病の特徴的な病変『進行していく潰瘍』
クローン病はなんといっても『潰瘍』。様々な症状がある中でも特別特段これが最大して最凶の特徴的病変です。
クローン病の潰瘍がもたらす病変についてお話します。
●穿孔(せんこう)
クローン病の潰瘍はIBDの中でも突出して強大で、どれくらい酷いかと言いますと、たとえば口の中にできる口内炎も潰瘍(アフタ)。誰もが見たことありますよね。まずあの口内炎の見た目をイメージしてください。あれが腸の中にあるとします。
その潰瘍はさらに深く深くえぐれていきます。それに伴い激しい腹痛と発熱と下痢に襲われます。
潰瘍がさらに深く深くえぐれていくとやがて貫通してしまいます。これが『穿孔(せんこう)』です。
穴があるということは、腸管内のものが外にでてしまう。腹腔はそれに対する機能はありません。消化器だけが食物も消化酵素も便もその内に留めておけるのです。
穿孔ができ、腹腔内にそれらが漏れだすと、強烈な炎症が起き、『腹膜炎』になってしまいます。
そうなると、即手術です。一刻を争う事態、早急に手術で病変部位を切除し腹腔内を洗浄しないと最悪死に至ります。
※クローン病の仲間であるIBDの『潰瘍性大腸炎』の潰瘍では、穿孔という穴が空くことはありません。ここは決定的な違いの1つですね。
●瘻孔(ろうこう)
腸管というのは模型のように整った『つづら折り』になってお腹の中に収まっているわけではたりません。お腹の中で腸は『わやくちゃ』の状態でピッチピチにお腹の中に収まっています。
潰瘍がある状態というのは腸に傷がある状態。潰瘍が進み深くなっていき穿孔ができたとき、必ずしも腹膜炎になるわけではありません。穴という傷は修復されようとします。その過程でぴったりと密着している腸同士が『癒着』します。
これは指が火傷でベロベロになった状態の皮膚を指同士合わせているとくっついて治癒してしまう現象と同じといえばイメージしやすいかと思います。
腸が癒着することで潰瘍はさらに進み、癒着により密着している側の腸にまで進みます。本来一本道の腸管のはずが、別の道(トンネル)ができてしまう。これを『瘻孔(ろうこう)』といいます。こちらも手術対象になってしまいます。
またこの瘻孔の怖いところは、癒着する相手が腸管同士とは限らないという点です。
お腹の中には臓器がぎゅうぎゅうに押し込まれています。なにも近くにあるのは腸同士ということはありません。
膀胱や腎臓などと癒着し瘻孔となってしまうケースもあります。
勿論、命に関わる緊急事態ですので即手術となります。
次回、『クローン病の具体的な症状-②』に続きます。
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