前編に続いて特徴的な病変をお話していきます。
クローン病の特徴的な病変『進行していく潰瘍』②
●膿瘍(のうよう)
穿孔ができたとき、その穴が修復され、一度は閉じるものの、潰瘍はさらに進み、修復と破壊の繰り返しの果てに腸管から『細い出口のない道』ができることがあります。この道は腸管ではありません。ただの傷です。ですので腸管からの滲出液によって炎症を起こし化膿してしまいます。この化膿した道は膿がどんどん溜まって大きな膿のポケットになります。これが『膿瘍(のうよう)』です。
小さな膿瘍であれば入院し抗生物質の投薬と絶食によって小さくなり体吸収されることもありますが、大きくなりすぎるとやはり外科的処置、手術しかありません。
●外瘻(がいろう)
さらにこの膿瘍がお腹の表面に違いところにできると、お腹の皮膚が腫れ上がり巨大なニキビのようなものができます。これがやがてニキビと同じように破れると、トンネルの出口が体外にできてしまいます。これを『外瘻(がいろう)』といいます。
そのまま傷口が塞がり瘻孔もなくなることもありますが、あくまでも入院中の投薬と絶食をしている間だけ。
普段の生活に戻ればすぐに再燃します。やはり手術対象になります。
●痔瘻
最後に『痔瘻(ぢろう)』です。『痔』とは名前についているものの一般的な痔とは異なり、痔瘻はクローン病にしか現れません。
この痔瘻は前述の通り瘻孔や膿瘍が肛門部、とくに最後最出口周辺にできる症状です。『肛門部病変』と総称されます。
痔瘻は生死に関わるほどの病変ではありませんが、決して侮れない、むしろ角度によっては最悪の病変です。
肛門にできる瘻孔は梅干し大くらいに膿瘍として腫れ上がり、尋常ではない激痛が起こります。座ることができないどころか、寝ても座っても立ってもなにしてても激痛。そしてこの腫れは破れ外瘻となり出血と共に大量の膿が出ます。そしてその傷口は表面だけ治癒し、また膿が溜まり、破れ、大量の出血と膿がでる。この連鎖がひたすら続きます。
そのため治療は難しく、『シートン法』という手術でトンネルに紐を通し、破れた傷口をあえて修復させないことで開放させ、膿を溜まらせないという処置です。この紐を留置しておくことで病変の炎症を下げ、最終的に紐を取り除き閉じることになりますが、そうそうその段階までたどり着けないのが実情です。
最悪の場合、肛門を使うことを諦める選択をしなければならない場合もあります。つまり、『人工肛門』です。これについてはまた別途ご説明しますが、人工肛門というのはお尻の地獄からは開放される反面、自尊心に与えるダメージは甚大です。
このように、命に関わらないのに最悪といった理由はこうしたところです。
休む間もない絶えない発熱と痔を遥かに超える激痛。肛門からは膿が出続け、排便のたびに出血を繰り返す、『QOL(生活の質)』が地獄のように低いのです。またお尻周りというのはとかく自尊心にも大きく関わるのです。
次回、『クローン病 寛解期と活動期』に続きます。
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