薬物療法②生物学的製剤とは?

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クローン病内科治療
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内服薬ではない治療薬、『生物学的製剤』とはどんなものか?について解説します。

※大事ところがたくさんあるのでアンダーバーが多くなっています。

『生物学的製剤』とは?

これが現代では主流となっている治療効果の高いお薬ですので是非理解を深めていただきたいところですが、こちらの説明は難しくなります。

なるべく噛み砕きますが、

生物学的製剤とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術といったいわゆるバイオテクノロジーを用いて人工的に精製されたお薬で、特定の分子(ターゲットのこと。後述します)』を標的とした治療に使われます。生物学的製剤は高分子のたんぱく質でできており、内服すると消化されてしまうため、点滴あるいは皮下注射で投与します。

バイオあるいはバイオ製剤とも呼ばれます。

『生モノの薬』』と思ってください。

どういう作用なのか、ちょっと難しいですよね。

ありていに言いますと、悪さをしている免疫をターゲットにしたお薬で、そいつらを抑制してあげることで攻撃力を下げる、という感じですね。

クローン病だけでなく、以前少しお話しましたリウマチ膠原病領域で、関節リウマチに対して最も使用されており(適応認可はたいていクローン病よりリウマチが先)、その他、巨細胞性動脈炎高安動脈炎ANCA関連血管炎全身性エリテマトーデス、IBDの仲間の1つであるベーチェット病などの膠原病のほか、乾癬性関節炎強直性脊椎炎など様々な疾患に対して使用されています。

もう幅広すぎて免疫疾患ならたいてい、ってくらいですね。

 

生物学的製剤の欠点

このお薬はとても効果が高い反面、ナマモノであるが故にいずれは抗体ができてしまき、効果が薄くなる、あるいはなくなってしまう可能性が潜在的にあります。

どれくらいの期間使い続けられるかは神のみぞ知るところで、個人差も非常に大きいです。

3年程度で効果が切れてしまう人もいれば、10年以上持続できる人もいます。

使ってみないとわからないもので、切れてしまったらどうしよう?と不安になるかと思いますが、昔と違い現在では種類も豊富となっており、1つの生物学的製剤が使えなくなっても別の生物学的製剤に切り替えることが可能ですので、それほど心配はいりません。

 

生物学的製剤を使う際は感染症に注意

どのお薬もそうですがこちらのお薬にも副作用があります。

このお薬で免疫の働きを抑えている間は、感染症に特に注意する必要があります。免疫力が低くなっていますからね。

ですので特に危険な結核球菌を保有していないかツベルクリン反応で確認してからの導入になります。

また、生物学的製剤は、点滴により体が強く反応しすぎて全身に深刻な不調が現れる『インフュージョン・リアクショ』という副作用が起こることがあります。そのため、お薬の導入には十分な対処ができる設備の整った医療施設で初回は一泊入院をしての使用が推奨されています。

※詳しくは次回説明しますが、『インフリキシマブ』というお薬の場合、1~3回かけて導入します。ゼロ週、4週、6週だったかな、すみません詳細は覚えてませんがこのように段階的に投薬し、以後8週サイクルもしくは6週サイクルのように定期的になります。

もし、このインフュージョンリアクションが起きた場合、その薬を止めるか、あるいは抗アレルギー剤のステロイドで散らしてから超々低速で滴下するか、判断が難しくなりますが、患者の意思と医師の判断によって変わります。

※ちなみに私は超々低速で続行決意しました。

インフュージョン・リアクションは、メカニズムは全然違いますけどイメージとしては『アナフィラキシー・ショック』のようなもの、だと思ってOKです。単にショック症状と。

別途、個別でご説明はしますが、この上記の説明や解釈は正しくはありません。ただ、この現象を完全に理解し説明することは不可能といっても過言ではないでしょう。素人には無理です。ですが、やっぱり他者から聞かれますよね、

副作用どんなん??」って。

こういうときに、

んー、まぁ厳密には違うけど、アナフィラキシーショックみたいなもんよ

と返せればだいたい一般人も、「へぇー、じゃあ危ないね」ってなんとなく理解してくれるので、方便としてはこんな表現が都合良いかと。

 

それでは次回は生物学的製剤の具体的な作用や効果についてぐっと掘り下げていきます。

こちらで前ほどの『特定の分子』というお薬が抑え込むターゲットも併せて説明していきます。

『薬物療法③生物学的製剤の働き・代表例レミケードで解説』に続きます。

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