薬でも食事でもない内科的治療・中心静脈栄養(CV)と在宅IVH

クローン病
クローン病内科治療
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タイトル通り、内科治療の中でも薬でも食事でもない栄養補給法、中心静脈からの点滴による栄養補給方法と在宅での点滴治療法のお話です。

 

中心静脈栄養とは?

『中心静脈栄養(CV)』は、入院治療時に食事が口から摂れない・経管栄養もできない、といった特に病態の悪い患者さんに有効な治療です。

通常の『末梢静脈栄養(腕や手の甲に入れる)』では、濃度の高い高カロリー補液は点滴できません。

細い血管なので痛みや炎症を起こしやすく詰まりやすくもあり、投与することができません。

これに対し、『中心静脈栄養』は、首・鎖骨下・大腿の付け根のいずれかから、心臓に近い太い静脈から投与するため、長期的・継続的に高カロリー補液が点滴できます。

脂肪だけは高カロリー補液だけでは賄えないので『イントラリポス(脂肪乳剤)』も3日に1度ほどの頻度で輸液します。

※こちらは、エレンタールのお話でもでてきた脂肪乳剤ですね。

薬物療法もこの中心静脈栄養のカテーテルからお薬を投与できるので他の部位に点滴を射す必要もありません。

これにより絶食状態でも体力の低下を防ぎ、安静に治療することができます

こうして長い期間、体力の低下なく絶食することによって、消化器の炎症を下げ、症状を良くし、栄養療法へ移行することができます。

メリットは体力・体重減少を大きく防げることにありますが、院内生活においては手を自由に動かせることもストレス軽減になります。

またお薬の効きも良いです。

※私も何度も何度も中心静脈栄養をやっていますが、本当に手応えが良いです。

クローン病と戦うにあたって、体力低下が1番の不安ですが、これを防げるだけで安心ができますので、長期戦になることが判ったら即「CVでお願いします!」と言ってます。

絶食しているのでみるみる身体の具合は良くなります。痛みや吐き気もすぐなくなります。

ただ、それだけでは退院というわけにはいかないので、並行してしっかり本体である潰瘍をやっつける治療を進めていかなければなりませんが、最悪の状況での長期戦の肝になるのが中心静脈栄養ですね。

 

中心静脈栄養の施術

施術方法は、医師ではないので正確ではありませんがおおむねでお話しますと、

  • まず皮膚を消毒し局所麻酔をして小さく切開し、太い針を射します。
  • 太い針の中は広くなっていてガイドワイヤーと細いカテーテルを挿入できるようになってます。
  • 太い針を射して入り口を作ってから、ガイドワイヤーを太い静脈に挿入し道を作り、それに添ってカテーテルを挿入します。
  • 身長によりますが15~20cmくらい挿入し、皮膚に糸で縫い付けて固定します。
  • その後、X線で間違いなく挿入されていることを確認して完了となります。
  • 二、三日は違和感がありますが痛みはありません、感触もじにになくなります。

 

注射する部位基本的には首になります。これは首が1番安全に施術できるからという点と、看護士が挿入部を目視で確認しやすいことや、蒸れにくいなどの理由があります。

鎖骨下の場合、体重がかなり下がっている場合ですと、万が一肺に射してしまうと肺気胸になってしまうので、医療サイドとしてはなるべくやりたくない部位になります。

大腿の付け根は寝間着のズボンで隠れてしまい看護士が確認しにくいことや蒸れやすいなどデメリットがありますが、安全性は高いです。なにより1番施術時の恐怖が薄いです。

※首は初めてやるときは信頼してても凄く怖いです。

 

中心静脈栄養の欠点

中心静脈栄養の唯一にして最大のデメリットとしては、『CV感染』といって、感染症になって高熱がでてしまうことがあるというところですね。

長期間に渡って異物が挿入されているわけで、皮膚の傷口から細菌等がカテーテルを伝って深いところまで侵入してしまい起きてしまう感染症です。

高熱はでますが、カテーテルを抜いて抗生剤を落とせば二、三日で平常に戻ります。

熱が下がり炎症が落ち着いたら、反対側の中心静脈にまた挿入し直します。

そこもまたCV感染を起こしたら別の部位です。やれる場所が多いのは救いですね。傷口が治ればまたその部位も使えますので、末梢静脈と違って使い潰しにならないので安心できます。

 

在宅IVH

この中心静脈栄養を在宅で行うのが『在宅IVH』です。

昔は在宅管理では難しいとされていましたが、医師・訪問看護・薬局とのチーム医療を組むことにより安全なIVH管理が可能となっています。

入院と同じ状態で栄養管理ができること、手足が自由に動かせること、点滴休止のときはチューブから外せるこた、家族の負担が少ないこと、点滴の必要がなくなってもカテーテルを留置しておくことが可能でいつでも再開できること。

在宅でもメリットは大きいです。ポンプも無料貸出してくれるので予算の心配もいりません。

余談ですが私は在宅IVHで富士を登頂した方を知っています。中心静脈栄養だけでもそこまでのことができるものなんですね。人間って強い。

 

中心静脈栄養のお話はこれで終わります。
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