クローンによくみられる腸管外合併症-⑤眼病変

クローン病
クローン病合併症
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クローン病によくみられる腸管外合併症、今回はあまりよく知られていない眼病変について、様々な合併症を紹介、解説していきます。

 

眼病変

実はクローン病の眼病変の合併症は4~10%の方に起こります。

IBDに合併する眼の合併症で最も多いのは、一般的に『虹彩毛様体炎』と呼ばれる表面の軽い炎症で、かすみ目や充血で済むことが多いです。

しかし、眼の病変は非可逆性治療しても元の性能には戻らない)のものも多いので軽くみないで注意は必要です。

また、テロイド治療を受けている方は、ステロイドが原因で起こる『白内障』や『緑内障』だけでなく、眼の中にカビなどが入り込む『眼内感染症』を起こして失明する可能性もあります。

眼に違和感がある場合は「ものもらいかなんかだろう」と放置しないで、速やかに眼科を受診することが望ましいでしょう。

そしてどんな病気の場合も同様ですが必ずIBDがあることを伝えましょう。

よくみられる合併症として、『上強膜炎』、『強膜炎』、『ぶどう膜炎』、『虹彩炎』などがあります。

『上強膜炎』は、IBDの病態と連動する眼科疾患として知られています。また、『強膜炎』は速やかにステロイドや免疫を抑制する薬を使わないと悪化してしまうとされています。

『ぶどう膜炎』や『虹彩炎』は、他の合併症と併発することが多いと言われ、多くの場合ステロイド治療を行います。

それぞれ細かくご説明します。

 

強膜炎

強膜』とは、目の白目の部分を指します。目の裏側まで覆っており、その強膜をさらに細かく分類すると、表層の部分である『上強膜』と、その下の『強膜』に分けられます。

炎症を起こす部位によって『上強膜炎』と『強膜炎』に分けられます。一般的に、上強膜炎よりも強膜炎のほうが症状が強いといわれています。

 

●原因

強膜炎は、様々な物質によって引き起こされるアレルギー反応としての症状や、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス、IBDなどの自己免疫疾患などがありますが、多くは原因不明です。症状が酷くなければ、原因の特定はせずに治療を行います。

上強膜炎は原因不明の再発性の疾患です。繰り返しやすいということですね、

強膜炎と同じく免疫反応が自己組織を攻撃してしまう自己免疫疾患や、梅毒、結核、サルコイドーシス、通風などのさまざまな全身性の炎症性疾患や感染などが原因としてあげられていますが、こちらも多くは原因不明で、眼の病気のなかで最もその実態がわかっていない病気のひとつです。

 

●症状

紫がかった赤色をした特殊な充血(結膜充血)・圧痛・また、炎症部位が眼の後ろの部分の強膜まで及ぶと視力低下をきたします。

強膜の部分が隆起する事もあります。これらの症状は主に強膜炎で見られるのに対して、上強膜炎では充血以外の症状は軽度で済むことが多いです。

強膜が溶ける例『壊死性(えしせい)強膜炎』では、その部分の強膜が薄くなって、なかの『ぶどう膜』という濃い茶色の部分が透けて見えるようになるため、白眼に黒いところが出てきたように見えます。

 

●治療

放っておいても数週間で改善することもあるので、基本的には副腎皮質ステロイドの点眼が治療の中心となります。

感染症が原因であれば抗生剤抗菌剤を併用しま す。炎症の範囲が広範囲の場合や充血の程度が強いと思われる場合は、副腎皮質ステロイドの結膜下注射を1日1回で数回追加するか、数日内服します。

また原因となる疾患の特定のための検査も行い、特定できれば専門科と原因疾患の治療も行います。

再発することが多いので、異常を感じたら早めに眼科医を受診することが大切です。

 

ぶどう膜炎・虹彩炎

虹彩炎』や『ぶどう膜炎』など眼のぶどう膜』とよばれる部分に起きる炎症が起きることがあります。

強膜の一番内側を『網膜』、そして強膜と網膜の間にある真ん中の2層目のことを『ぶどう膜』といいます。3層構造ですね。

ぶどう膜は名前の由来はぶどうの房に色や紋様が似ているからだそうです。

そして、ぶどう膜は『虹彩』、『毛様体』、『脈絡膜』という3つの部分の総称です。

ぶどう膜炎の中で前面(角膜側)の炎症を『虹彩炎』、網膜、硝子体側にも広がる目の中全体の炎症を『ぶどう膜炎』といいます。

 

●原因

虹彩炎、ぶどう膜炎の原因は、多種多様にたくさんあります。

ウィルス感染、自己免疫疾患、感染に対する免疫反応などが主に考えられますが、軽い症状のものは原因がわからない状態で治療していることが多いものです。

 

●症状

ぶどう膜炎の症状は、目に強い痛みを感じたり、まぶしかったり、目が充血したりします。

その他、かすんで見える、充血、視力が落ちる、飛蚊症、歪んで見える、ものが小さく見えるなどが多いです。

 

●検査

ぶどう膜炎の検査は、通常の前眼部をみて虹彩炎をみるだけでなく、虹彩と角膜の間の隙間である隅角をミラーをのせて観察する『隅角検査』や目の網膜の周辺部をみるための『散瞳検査』を行います。

それである程度の目星をつけてから、採血結果や年例、性別を照らし合わせて診断をします。

原因の不明例が一番多いのですが、サルコイドーシスが次に多く、IBD、ヘルペス、糖尿病なども多くはありませんがそこそこあります。

 

●治療

ぶどう膜炎の治療は対症療法になります。病状が悪いときはステロイド点眼で炎症を抑えます。ステロイド点眼でだめなら、ステロイドの眼の周りへの注射や内服も検討します。

 

眼病合併症まとめ 

いずれの眼病も、原因がはっきりわかっていないことが多いですね。感染以外は自己免疫疾患に多くみられ、何故自己免疫疾患は眼病になりやすいかはわからない、というところです。

いずれも主な症状は痛み、かすみ、まぶしい、充血が多い。

診断には通常の検査に加え、隅角検査、散瞳検査が必要。

それに加え採血や全身検査もする場合があ。

治療はステロイド点眼を主軸にして、目への注射、内服も必要時に行う。

症状は落ち着いたり、悪化したりを繰り返すので経過観察が必ず必要。

どの眼病も、やることに大差はありませんね。

※標本持ってないし複雑なのでイラストも用意できずスミマセン。ちょっと目の構造イメージしにくいですよね。

 

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