IBDと熱中症

IBDの暮らしと健康
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『IBDと熱中症』

暑いですね!今回は熱中症についてのお話です。

今年の6月から事業主には従業員の熱中症対策が義務付けられました。行政も動いてます。

※この法律の具体的な内容はご自身で調べてみてください。結構厳しく設定されてます。

熱中症なんて今さら説明されなくてもわかってる、って方も多いとは思いますが、おさらいということで今一度再認識していきましょう。

 

熱中症とは

気温や湿度が高い環境下で体温の調整がうまくいかず、頭痛、めまい、立ちくらみ、ふらつき、倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、こむら返りなど様々な症状が起こる状態をいいます。

主に外気温のせいで体温が上がる『高体温症』です。

重症ですと失神など意識障害を引き起こす『熱失神』が引き起こされます。

 

原因

暑い環境に体が適応できず体温の調整がうまくいかなくなり、汗を大量にかくことで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温が上がること、とりわけ『深部温度』が上昇することが原因となります。

※『深部温度』とは、身体の重要な臓器や脳などの温度のことで、皮膚温と異なり外気温の影響を受けにくく、通常では内臓の機能を守るため常に37℃前後で一定に保たれています。

ここまでは常識範囲内ですよね。

では、熱中症が引き起こされるメカニズムと各症状の原因についてもう少し踏み込んでみましょう。

おさえておくポイントはやはり、『発汗による脱水』と『体温上昇』です。

 

『熱中症』と『脱水症』の違い

脱水症』は、体液(水+塩分)が汗で失われ、その補給ができていないときに起こります。

熱中症』は、気温の高い環境で生じる健康障害の総称になります。

脱水により体温調節が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。

どちらも「水分」と「塩分」が失われることで引き起こされますが、脱水症は季節に関係なく冬場の乾燥や運動時の補水不足でも引き起こされます。

熱中症の場合、脱水症が引き金となりますので、熱中症も当然脱水症でもあります。

この梅雨の時期、まだ気温はそれほどでもないけど湿度が高いと皮膚が気化熱による体温調節がしにくくなり、熱中症になりやすいです。

まだそんなに熱くないから、とエアコンを使わない方も多く、熱中症患者もまた多くなりがちです。

甘くみないよう注意ですね⚠️

 

熱中症の体温上昇

炎天下や暑い室内での長時間労働やスポーツなどにより、体内に熱がこもり、脳への血流が減ること、そして重要な臓器や脳などの身体の深部の温度の上昇、ひいては『脳そのものの温度が上昇する』ことで引き起こされます。

体温調節機能は身体の末端へ熱くなった血液を運び放熱したり、汗をかくことにより体温を下げようと働きますが、過多になりますと身体の水分量、血液量が減少し、脳への血流が悪くなります。

その結果、汗がかけず、血流が巡らず、体温調節ができない悪循環となり、深部温度も脳の温度も上昇し続け、様々な不調として現れるのが熱中症です。

体温が37,5℃を超えますと、症状が顕著に現れます。

熱中症による体温上昇は、状況によっては生命の危機的ラインとされる42℃を超える高熱につながることもありますので甘くみてはいけません。大変危険です。

 

症状

立ちくらみやふらつき、顔の火照り、などがありますが、熱中症だと気付きにくいです。

息が上がる、脈が速くなる、などの症状もでてきて、やっと「なんか、おかしい。熱中症かも?」と気付くことが多いかもしれません。

汗のかきかたがおかしい。発汗量が異様に多い、あるいは暑いのにまったく汗がでない、なども初期症状としてあります。

また、尿意が全然なく、あってもごく少量しか尿がでないなど、脱水状態がみられれば熱中症のサインです。 

 

どうして頭痛やめまい、立ちくらみが起きるの?

熱中症の予兆に、『生あくび』があります。

発汗により、脱水や電解質の喪失により症状が現れ始めますが、体内の水分が減少することにより循環血液量が低下し、脳に十分な酸素や栄養分が行き渡らなくなります。

酸素が足りなくなるから生あくびがでるのですね。

その結果、めまいや立ちくらみ、生あくびなどの症状が目立つようになります。

対処をしないでいると脳そのものの温度が上昇し、重症化してしまいます。

体温の上昇に伴い頭に熱をもつことでズキズキとした頭痛が起きます。

さらに重症ですと血管の拡張、脱水症状により起きる血圧低下により『熱失神』という軽度の意識障害が引き起こされます。

 

どうして吐き気がでるの?

立ちくらみのようなめまいによって吐き気や嘔吐が引き起こされます。

また、脱水による消化器の働きの低下や、炎症によって吐き気が起こります。

 

どうして下痢しちゃうの?

これは意外と理由を知らない方が多いのですが、熱中症のときには、サイトカイン(炎症物質)が体内で増えるためです。IBDにとってはお馴染みのサイトカインです。こいつが活発になってしまうことでお腹にも炎症が起き、下痢が引き起こされます。

私たちIBDはとくにお腹ゴロゴロきやすいですよね。

また、脱水によって血液が濃くなる(高ナトリウム血症)になることで。 腸のはたらきが悪くなることも下痢の要因です。

このように、脱水と体温上昇によって非常に様々な症状が多発するのが熱中症ですね。とても危険ですね。

 

熱中症かな?と思ったら

対処の仕方

①水分補給

②体温を下げる

③安静にして回復を待つ。

この3つに尽きます。

1つずつ具体的にみていきましょう。

 

①水分補給

脱水症状を改善しなければいけないので補水は必須です。ですがなんでも良いというわけではありません。

熱中症は長引けば長引くほど危険なので、速やかに水分を補う必要があるため、脱水症でもお話しました、『OS-1』や『アクアサポート』などの体液に近い組成となっている経口補水液が望ましいです。

ただの水やお茶ですと吸収が悪く、また消化器の活動も悪くなっており、吐き気や下痢などもありますので、吸収率の悪い水分では嘔吐や下痢を促進してしまいます。

よく、スイカとか果物だったりをたくさん摂って回復させようとする方が多いですが、まず熱中症になってしまったら果物からの水分補給でなんとかなる状態じゃありません。ならないよう予めという意味で積極的に水分補給目的で果物を食べることは悪いことではありませんが、なってしまったら経口補水液のように速やかに吸収されるものでないと回復しません。

水やお茶ですと吸収が悪く、また消化器の活動も悪くなっており、吐き気や下痢などもありますので、吸収率の悪い水分では嘔吐や下痢を促進してしまいます。

お茶には利尿作用もありますしね。

また、補水の際には一気にグビグビ飲んではいけません。これも嘔吐の要因になってしまいます。

経口補水液を少量をこまめに、ゆっくりと飲むことが大切です。

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②体温を下げる

こちらも勿論必須、最重要になりますね。いかに素早く体温を下げるか、これが重症化を避けることと、重症の場合の救命率に大きく影響しますので急ぎましょう。

涼しいところへ移動し、太い血管の走っている首や脇などを冷やすことで身体の内側から体温を奪い熱を下げるというのは今や常識かと思います。

最近では新たに効果的な解熱方法がありまして、手を冷やすことが効果的とわかっています。

手は熱を放出します。手を冷やすことで手からどんどん外へ熱を逃がしてあげるという手段ですね。ただし、キンキンに冷えたもので手を冷たくすると逆に血管が収縮してしまい放熱ができないので、5~15℃くらいが望ましいといわれています。

※私は職場で、冷蔵庫の中で壁に背中をつけて手はバンザイして天井につけて一気にクールダウンしています。

望ましいやり方とはいえませんが、休憩中ではなく仕事中のほんの60秒足らずで少しでもほてりを軽減させたいのでやむ無しです。

「汗が冷えるのは身体に悪いから」

と、エアコンを避ける方も少なくありませんが、熱中症になってしまったらそんなこと言ってる場合じゃありませんので、速やかに体温を下げてください。速く下げないと危険なんです。

身体が冷えるのはよくない、けど、体温が上がっちゃってるのだから冷まさないといけないここを頑なに『冷えはよくない』と徹してしまうのはとても危険です。

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③安静にして回復を待つ

動ける状態ではないと思いますが、無理をして仕事をしたりは厳禁です。補水してればなんとか持ちこたえられるかも、なんて思わないようにしてください。

めまいやふらつき、吐き気もありますので動くのは転倒などの危険もあるのでNGです。

熱中症になったら迷わず安静にしましょう。

 

いずれの手段でも回復しない、あるいは補水ができない、けいれんまでみられるなどの場合、躊躇わず病院へ運んでもらいましょう。

身近に誰もいなければ救急車を呼んでください。

 

夏対策・暑さに慣らす『暑熱順化』

これは単純にいえば暑さに慣れ、暑さに強くなる現象です。

誰しも急に暑くなる夏のはじめは身体がついていけないってことがありますよね。

ですがヒトの身体はその環境にも適応するものです。

暑熱順化は、こうした初夏の時期に積極的に運動などでしっかり発汗促進することで、夏本番がきたときにスムーズに発汗しやすく、気化熱での放熱がしやすくなる、夏に強い身体になることです。

こちらも予防法の1つになります。

ですが、どれだけ順化しようと、先に説明した通り脱水になってしまったり、高温の場所に居続けたりしますと機能は負けてしまい、熱中症になってしまいます。

完璧な予防法ではありません。夏バテ予防範囲ですね。

 

解熱剤とか飲んでいいの?お薬の注意点

『熱があったら解熱剤を飲む』、そう考える方は少なくないと思います。ですが熱中症の場合、有効ではありません。

解熱剤は体が熱をだそうとしているのを抑える働きをしますが(外敵などとの闘いで炎症が起き、敵を弱らせるために自ら震えを起こして『発熱』する)、熱中症の場合は『外気温のせいで体温が上がっている高体温症』であって、『発熱』ではないだからです。 

こうした体温上昇には解熱剤は効果がありません。

ただ、頭痛のような痛みに対して鎮痛薬は効果があるかもしれません。

もし服用する場合は胃腸へのダメージも考慮し、最も悪影響の少ないアセトアミノフェンが望ましいでしょう。

加えて、胃腸薬も服用し、吐き気や下痢を抑えましょう。

 

熱中症の予防

こちらは常識的なことになりますが、炎天下での活動を控える、室内でもエアコンを用いて涼しくする、水分補給はこまめにする、など基本的な措置ですね。

近年気を付けなければならないのが、『レジャー』ですね。

現在のパパさんママさん、あるいは孫のいるおじいちゃんおばあちゃんが、『昔の思い出にある夏のレジャーを、今の家族と楽しみたい』という気持ちで遊びます。

これが非常に危険でして、昔と今とでは平均気温がまるで違うんですね。

東京では1980年の頃は27℃ほど。しかし今は34℃くらいザラです。

千葉での比較ではたった20年で5℃も上昇しており、37℃もの高温、人間の体温の平熱を超えてます。

気象庁は30℃を超える日は屋外での活動を控えるよう呼び掛けております。

昔とは大きく違うこの暑さの中、昔とまったく同じように遊ぶと熱中症確実です。

まったく同じようにはできませんが、それ相応の備えをしてレジャーを楽しみましょう。

たとえばキャンプはテントではなくコテージですとか、海水浴やプールでは時間を決めてこまめに日陰に移りしっかり補水をするですとか、様々な工夫が必要になりますね。

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子供や高齢者は特に熱中症になりやすいので、しっかりと用心しましょう。

熱中症については以上になります。IBDの場合、ただでさえ脱水になりやすいので、夏場はしっかり用心しましょうね。

 

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