前回、人工肛門増設術の必要性と方法についてお話しましたが、今回は実際に人工肛門とはどんなものか、詳しく解説したいと思います。
人工肛門ってどんなもの?
字面だけだと人工的という面しかわからずイメージがしづらいと思います。
ちょっとビックリな話なのですが、たまーに、人工肛門のことを『機械的ななにかを体内に入れてる』、と思っている一般人の方もいるくらいなので、画像とイラストにて説明していきたいと思います。
※ホントホント、たまーに心臓のペースメーカーみたいな機械的な何かだと勘違いしてる一般人、いるんです。
間違っても、人工肛門とは機械的ななにかではありません。
じゃあ、人工肛門ってどんなもの?実際に実物を見る機会なんてそうはありませんよね。
人工肛門とは
『お腹を少し切開し、そこから腸管を少しだけ引っ張り出します。そして外に露出させた腸管を半分くらい切って割って、皮膚に縫い付けて固定します』
これが人工肛門です。
切り割りした腸管は、穴が2つになりますよね。一方は口側、もう一方は肛門側。口側の穴から排泄をし、肛門側からは少し粘液がでるだけになります。
※姪っ子と粘土遊びしながら模型作ってみました↓
《人工肛門形成のプロセス(模型)》


人工肛門の種類
後者は肛門部病変や直腸切除など、大腸は使うが肛門は使わない場合に大腸の終わりあたりに増設します。
人工肛門を増設した方は『オストメイト』と呼ばれ(差別用語ではありません)、オストメイト用トイレなどオストメイトの為の設備などが公共施設にはございます。
ストーマから出てくる便をどうやって排出してるの?
ストーマ用の装具をお腹に貼って、便を受け止めます。
ストーマ装具は、『皮膚保護材』という直接皮膚に貼り付く板(面板:粘土質の接着剤)と、便を受け止める袋(パウチ)で作られています。
装着イメージ↓
皮膚保護材の作用は、
- 皮膚に便が付かないように皮膚を守る
- 汗や排泄物の水分を吸収する
- 皮膚に密着する
などの作用があります。つまり、皮膚を排泄物から保護したり、正常な皮膚の働きを維持する作用があります。
装具には防臭効果や防水効果がありますので、臭いの発生や排泄物が漏れて衣服を汚すなどのトラブルはありません。(ほぼ。稀に、あります)
装具の交換
装具を交換する時期は、一般的に週2~3回になります。装具の交換までは同じパウチを何日か貼っておき、パウチに排泄物が貯まったらトイレで出します。
パウチの先端にはキャップのついた排出口がありますので、キャップを外して便器に流し出して口を拭いてキャップを閉じます。(風船とかの詮の太めみたいな感じです)
ストーマ装具は、大きく分類すると『面板とストーマ袋が一体になっているワンピース(単品系)装具』と、『面板とストーマ袋が分かれているツーピース(二品系)装具』などいろいろな種類があります。
ストーマ装具は、自分のストーマやお腹の形にあったものを選びます。
なにをどう選んだらいいかわかんない……
これらストーマ管理方法はすべて、『ストーマ外来』でストーマ専門の看護師がしっかり教えてくれます。
排泄物の漏れや皮膚のかぶれなどで管理が上手くできない時は、外来時に自分に合うストーマ装具をストーマ専門の看護師に相談するとよいです。
パウチには排泄物やストーマが見える透明のタイプと、排泄物やストーマが見えない不透明タイプ(ベージュ・グレー)があります。
透明のパウチは常に排泄物が見えます。不透明のパウチは、排泄物は外からは見えません。
排泄物を直接見なくても、袋の膨らみや重みでトイレに行くタイミングが分かります。結構ガス(本来おならになるもの)も溜まりますので、パンパンになってきますが、パウチはとにかく丈夫です!破れることはそうそうありません。
常に排泄物を意識しないで過ごせるように少しずつ生活に慣れていくとよいでしょう。
※私の経験(一時的・小腸型)としては、ツーピース装具で見える透明タイプが使いやすかったです。見えるというのは色々なものが確認できてイイ。
パウチ交換は、空腹時にシャワー浴びるときに剥がして身体洗ってストーマももしゃもしゃ洗って、シャワーからでたらすぐ拭いてパウチ貼り付ける、でやってました。慣れると本当楽です。
パウチカバーも自分で作ったりしました。
小腸型と大腸型の排泄物の違い
小腸型の場合、小腸を通過した時点では排泄物はしゃばしゃばの水様便です。黄色い液体で繊維などが見えます。排泄時の臭いは少しツンとする酸性な臭いですが、ウンチの臭いとは全然似ていません。臭いが気になりにくいです。
大腸型の場合、排泄物はウンチの状態なので固形で固さもあります。パウチの口が大きいものを使わないと排泄できません。排泄時の臭いもウンチです。大腸型の場合は排泄物が見えない不透明タイプを使うことが多いです。
人工肛門のお話はこれで一通りできたかと思いますので一旦終わります。
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