クローンによくみられる腸管外合併症-②アフタ・骨粗鬆症

クローン病
クローン病合併症
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クローン病によくみられる腸管外合併症、今回はお馴染み『アフタ』と『骨粗鬆症』について解説します。

アフタ性口内炎

※口も消化管の一部ですが、腸管ではないのでコチラでご案内します。

アフタ性口内炎とは口腔内にみられる痛みに伴うびらん、あるいは潰瘍です。病変の境界線がはっきりとしていて、表面が白か黄色の膜で覆われており、周りが赤く、クレーターのような形になったものを言います。

アフタは特にクローン病とベーチェット病に強くみられる症状です。

アフタ性口内炎は口の内側や舌・唇・歯茎などにできやすく、複数個できることも多いので痛みが強く食事がとりにくくなります。

また、酷い例ですと口腔粘膜全体にまで及び、口の中から喉まで真っ白くみえることがあります。

全体の粘膜がほとんどなくなってしまうほどの広範囲のアフタです。こうなりますと、粘膜がないので自分の舌や唾でさえまるで異物のように硬くざらつきを感じ、喋ることさえ困難になります。

アフタは生物学的製剤を投与していてもできてしまうこともありますし、回復もまた遅く、長ければ1ヶ月続くこともあります。

※私は確定診断に至るまでにこの酷い状態を何度も繰り返しました・・・

栄養摂取も難しくなりますが経腸栄養剤を一生懸命摂ってしっかり睡眠をとるようにし、早く回復できるようにしましょう。

 

骨粗鬆症

骨粗鬆症になりやすい疾患として、なんらかの疾患による胃切除後, セリアック病, C型肝炎, 原発性胆汁性肝硬変, 原発性硬化性胆管炎, 肝移植レシピエントが挙げられますが、クローン病をはじめとしたIBD全般も合併症として罹患しやすいです。

IBDでの頻度はかなり高く、骨折のリスクもあります。

しかしながら、繰り返す手術によって腸管が短くなってしまい栄養障害をきたす『短腸症候群』でなくとも、骨粗鬆症になりやすいため、なぜ骨粗鬆症になってしまうのか、はっきりしたことはわかっていません。

小腸の終わりのほう(回腸)で微量元素の吸収がされていると考えられているため、クローン病のように小腸を切除することが多い疾患ですとこの考え方に該当しますが、胃切除後に骨粗鬆症になる原因は不明です。

いずれにせよ、クローン病や潰瘍性大腸炎などのIBDでは腸の切除範囲の大小に関わらず、『 吸収不良症候群(セリアック病)』があり、骨粗鬆症になりやすいと考えましょう。

 

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の診断と治療目標は、骨密度70~80%目安です。これより低いと骨粗鬆症と診断され非常に骨折しやすく治療が必要になり、70~80%を目標にします。

治療薬は

①メトトレキサート(MTX)

世界で最も広く使用されている関節リウマチの治療薬。高い有効性、継続率、骨破壊進行抑制効果や、QOL、生命予後(寿命)の改善効果があり、関節リウマチ治療の第一選択薬(診断されたらはじめに使用する薬)、アンカー薬剤(中心的役割を担う薬)です。クローン病でも服用可能です。

服用方法は週に一回、1~2日に分割して内服します。

※注意として、肺の病気があったり、腎臓や肝臓の機能が悪いとメトトレキサートは使用できないこともあるため、使用前には十分な検査が必要になります。

②葉酸

骨のコラーゲンの劣化を防いで「骨質」を良くしてくれます。葉酸以外にも 有効とされているのがビタミンB6、ビタミンB12です。 これらの栄養素を十分にとることは、骨を丈夫にするだけでなく、動脈硬化や心臓病のリスクも下げるといわれています。

腸管切除している場合、前述の通りの吸収不良がありますので食事だけで賄うことが難しいです。その為サプリメントとして処方されます。

③リセドロン酸ナトリウム

コチラも骨粗鬆症治療剤で、『ビスフォスフォネート系薬剤』と呼ばれる お薬です。骨量の減少を抑え、骨密度を増やし、骨折を予防します。 

服用は毎日、週に1回、1ヶ月に一回と、内服薬は生活に合わせて選択できます。その他に半年に一回の皮下注射薬などもあります。

※私も骨粗鬆症になりまして、現在進行形で治療中でございます。

 

骨粗鬆症の重症度の高い場合

IBDや関節リウマチでステロイドを使用している場合や、炎症の程度が強い場合は80%程度を目指します。

この場合、より骨密度増加効果が高い注射薬の『デノスマブ』や『ゾレドロン酸』の投与が効果的で、目標値達成まで続けます。

・デノスマブ

RANKL を標的としたヒト型IgG2 モノクローナル抗体』(レミケードのような生物学的製剤)です。

これは、RANKLを特異的に阻害し破骨細胞の形成、機能および生存を抑制することにより骨吸収を抑制します。2013年に「骨粗鬆症」の適応が承認され、2017年7月に「関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制」の効能・効果が追加されました。

適応は、抗リウマチ薬(メトトレキサート等)で治療を行っている患者で、画像検査にて進行性の骨びらんがある関節リウマチ患者や、 抗リウマチ薬の効果が不十分で、骨びらん進行がみられる患者、 抗リウマチ薬で寛解もしくは低疾患活動性が達成されても、骨びらん進行がみられる患者が対象になります。

※よほどのことがないとクローン病ではここまでの治療が必要になることはまずありません。

 

・ゾレドロン酸『ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍関連)』

骨吸収(骨を壊す過程)を抑える作用などにより、悪性腫瘍による高カルシウム血症やがんの骨転移による疼痛(骨転移痛)を改善したり骨折などの骨病変を予防するお薬です。

※デノスマブ、ゾレドロン酸に関しましては機構が難しく私自身もまだ経験がないため、これ以上詳しく説明することができません。

 

骨粗鬆症まとめ

ここまでで「なんか、どれも同じような薬?」と思ったかと思います。

そうです、だいたい同じような作用です。

骨というものは皮膚と同じように新陳代謝をしていて、古いものは捨てる(吸収)、新しいものを作る、といったことを繰り返しています。

ざっくり言いますと、骨粗鬆症のお薬はこの吸収という部分をブロックして新しいものを作るほうを優位にしてあげることで骨密度を高めていく、というお薬になります。

これだけの種類のお薬があるのは、効果の程が違ったり、適応範囲が違ったりするためですね。

いずれにしても、処方が慎重になることは確かですので、主治医の説明をよく聞き、わからないことはどんどん質問しましょう。

骨粗鬆症に関しては、体験談も含めてまた別途記事にしますので、宜しかったら参考になさってください。

 

『クローンによくみられる腸管外合併症-③胆のう炎、膵炎』に続きます。

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