カテゴリー『診断』のほうで各種検査の概要をお伝えしましたが、検査についての詳細な記事を続けて閲覧したい方のために、コチラのカテゴリー『検査』のほうでもおさらいとして再投稿します。
主な検査項目
①血液検査
白血球の数(体内で闘いがあると上昇する)やヘモグロビン(潰瘍等で出血があると極端に下がる)、CRP(炎症があると上昇する)をメインに、その他の病の可能性も考慮し幅広く多くの項目数しっかり検査します。
なので採血でとる血液の量は多いです。
●インテグリンαvβ6抗体の血液検査
これは、血液中にある自己抗体を見る検査です。潰瘍性大腸炎で陽性になりやすく、クローン病では陽性率が低いことが報告されており、潰瘍性大腸炎かクローン病かを判断する1つの材料になります。
②検便
潜血の確認ですね。肛門や直腸に出血がありますと目に見えてわかる血便になるので自覚症状もあるかと思いますが、小腸から大腸の真ん中(横行結腸あたりまで)で出血がありますと消化酵素の影響を受けて便の色にあまり変化がみられません。
検便では見た目ではわからない潜血の確認をします。
●便中カルプロテクチン
便の中に出てくる炎症のサインを見る検査です。カルプロテクチンは、主に好中球という白血球由来のたんぱくで、腸の中で炎症が起きると便中で高くなりやすいため、クローン病や潰瘍性大腸炎で広く使われています。
③検尿
腎機能の確認。たんぱく質や血が混じっていないか確認します。
④胃カメラ
前段階で胃に問題が確認されなかった場合はスキップすることもあります。
胃に潰瘍がないか、粘膜の状態はどうかなどを確認します。
⑤大腸内視鏡検査
大腸内をカメラで見て状態の確認をします。クローン病にみられる特徴である『縦走潰瘍』や『敷石状病変』、『狭窄』などを細かくみます。
これらの特徴がみられた場合、『確定診断』が濃厚となります。
細胞も採取し生検に出します。
この生検で『肉芽腫』というものが確認されると、『確定診断』となります。
※肉芽腫が確認されない場合もままありますが、その他の特徴的な病変と症状によって確定的であれば確定診断となります。
⑥経管小腸造影検査
鼻から十二指腸あたりまで管を入れて、その管から造影剤を出して小腸なまんべんなく行き渡らせてX線撮影をします。
管の太さはうどんより太いくらいでしょうか。意外と細めです。
これは大腸内視鏡検査ではよく見えない潰瘍の有無と程度の確認になります。
瘻孔がありますと、そこに造影剤が入り込み、細ーい線が小腸から飛び出しているのがX線で見えます。このようにして肉眼では確認できないような病変を確認します。
造影剤には『バリウム』と『ガストロ』があり、バリウムは白くて経口でも使用可能です。また映りがとても良いです。反面、粘度が高いので細いところには浸透しにくい欠点があります。
対しガストロは透明でべたべたした液体で、経管になります。バリウムよりは映りは落ちるものの、しゃばしゃばの液体ですので細いところまで浸透します。
どちらを使うかは問診次第で医師が判断します。
検査後、管から造影剤はある程度抜きますが、残りは下からウンチで出すことになります。
⑦注腸造影検査
これは大腸の造影検査です。お尻から管を入れて直腸のところでバルーンを膨らませて栓をして漏れ出さないようにしながら造影剤を流し込み、大腸に行き渡らせて大腸のX線撮影をします。
小腸造影検査と同様です。
⑧造影CT
造影剤を使ってお腹の中をCTで撮る検査です。クローン病では、腸の壁が厚くなっていないか、炎症が強くないか、狭窄・膿瘍・穿孔などの合併症がないかをみるのに使われます。
特に急に悪化したときや、強い腹痛・発熱などで緊急性があるときに役立ちやすい検査です。CTは短時間で撮れて、全体を素早く確認しやすいのが強みです。
⑨造影MRE
MREは【MR enterography(MRエンテログラフィー)】のことで、
MRIで小腸を詳しくみるための検査です。多くの場合、飲む造影用の液体で腸をふくらませ、必要に応じて点滴の造影剤も使って撮影します。
その特性から大腸内視鏡検査とセットで行われることが多く、腸管戦場財政でお腹を満たした状態で検査します。
クローン病では、小腸の炎症の場所や広がり、腸壁のむくみ、瘻孔、膿瘍などをみるのに有用で、内視鏡では見えにくい小腸の評価にも向いています。
⑩超音波検査
『膿瘍』の有無の確認と、その他臓器に問題がないか確認をします。膿瘍がありますとしっかり映ります。
⑪その他ケースバイケース
眼の検査(クローン病は緑内障になりやすいといわれています)、
骨密度(クローン病は栄養障害がしばしばありますので測定しておくこともあります)、
手術を考慮して心電図や肺活量なども検査する場合もあります。
このようにあらゆる検査を徹底しますので、かなり忙しく検査疲れにもなります。
ただでさえ最悪のコンディションの中でですから、相当に大変です。
ですが初手の検査は最重要になりますので頑張りましょう。
次回は最も多くのことがわかる『大腸内視鏡検査』について数回に分けて詳しくご説明していきます。
※この記事は2026年3月22日に一部更新しました。
