クローンによくみられる腸管外合併症-④尿路結

クローン病
クローン病合併症
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クローン病によくみられる腸管外合併症、今回は尿路結石。クローン病に限らずIBDにとてもできやすいので、要因や検査、治療など詳しく解説します。

 

尿路結石

オシッコが少ないと尿路結石ができやすいというのは、みなさんよく耳にすると思います。

通常、腎臓で作られた尿は、尿管から膀胱を経て、尿道を通って排出されます。この尿の通り道が『尿路』です。

腎臓でできた結石が尿路に引っかかって痛みなどの症状を起こす病気を総称して『尿路結石』と呼び、『腎臓結石』、『尿路結石』、『膀胱結石』、『尿道結石』が含まれます。

結石のある場所による違いですね。どこに結石があって炎症を起こすかの違いです。

結石は、尿に含まれるカルシウム、マグネシウム、尿酸などの成分が過飽和状態になって結晶化したもので、ほとんどがカルシウムによるものです。

発症は中年以降の男性に多く男女比は2:1ですが、近年は女性にも増えてきており、また若年層の男性が発症することも多くなっています。

健常者の場合、結石ができる原因はまだよくわかっていませんが、『誘発因子』として体質遺伝の他、生活習慣、基礎的疾患などが大きく関わっているとされています。

またIBDは特にできやすく、合併頻度はクローン病では約6.7%,潰瘍性大腸炎では約3.4%とされており、性別や年齢に関係なくIBDに多い合併症の1つです。

特に小腸切除後や回腸瘻のある場合では、腸管から重炭酸イオンや水分を多量に失いやすく、重炭酸イオンの低下は、腎臓における酸の排泄を増すことにより代償され、尿pHの低下と食事後の尿アルカリ化の消失を招きます。さらに慢性的な下痢が加わることで、脱水、尿が濃縮され、尿酸結石が生じやすくなるとされています。

※酸性・アルカリ性・pHとか、中学生の頃習う理科のお話ですが、これちゃんと理解してて覚えてる方って、きっと少ないですよね。

こうしてメカニズムをお伝えしている私も正しく理解できていません。

以下の誘発因子や副作用、疾患により『できやすい』とだけ覚えておけば十分かと思います。 

 

尿路結石ができてしまう主な誘発因子

  • ①水分:摂取量が不足、汗かき
  • ②尿:尿量低下、停滞、濃縮
  • ③食事:大食い、肉類をよく食べる、糖分や塩分の摂取量が多い
  • ④運動不足
  • ⑤ストレスが溜まっている

などがあります。

また、お薬の副作用やIBDやその他の病気もあります。

  • ①入院などで長期臥床しており、尿流が停滞している
  • ②ステロイドなどの薬を使用している
  • ③尿管狭窄、前立腺肥大などの尿路通過障害がある

その他の病気として、骨粗鬆症、脂質異常症、クッシング症候群、高カルシウム血症、シスチン代謝異常、原発性副甲状腺機能亢進など様々な疾患と関連があります。

 

症状

  • ①脇腹から下腹部まで鈍痛、ときに激痛
  • ②血尿
  • ③排泄時の痛み
  • ④腰痛
  • ⑤吐き気
  • ⑥顔の蒼白
  • ⑦陰部の痛み

などがあります。ときに発熱することもあります。

特に痛みが強いのが、尿管結石です。

尿管には細くなっている部分が3ヶ所あるため、その部分にサイズの小さな結石でも詰まりやすくなっています。

結石が詰まっていると腎機能の低下につながりかねないため、早期の治療が重要です。

ホント、痛いですよね!

 

検査

適確な診断や治療を行うために、結石の大きさや位置、腎臓の状態などを検査します。

①触診

腰の左右などを叩いて圧痛や叩打痛などがないかを調べます。

②尿検査

尿潜血反応を調べます。肉眼や顕微鏡で尿中に赤血球が混じっているかを確認します。

③血液検査

腎機能に障害がないかを調べる検査です。尿素窒素』、『クレアチニン』、『尿酸』、『カルシウム』、『リン』などの数値を測定します。IBDの場合、外来で毎回血液検査をしているので、現在できやすい状態にあるか否かは毎月確認ができますね。数値が悪ければ予防もしやすくなります。

④腹部X線検査

腎尿管膀胱単純撮影を行い、腎臓から膀胱までの結石の有無や位置を確認します。ほとんどの尿路結石はレントゲンで確認できるシュウ酸カルシウム結石です。

⑤超音波検査

尿管内の結石の有無や腎臓や尿管の状態を確認します。位置によって超音波検査では確認できない場合もあります。

⑥造影CT検査

レントゲンや超音波では不明瞭になるケースが多い骨盤内の尿管に結石や狭窄などがないかを確認できます。

※④⑤⑥は適宜、状態に合わせて行います。とくに症状が酷い場合、結石がかなり大きいと予想される場合、緊急性が高い場合などに行います。

 

治療

結石の大きさによって治療内容は異なり、サイズが小さければ自然に排出されるのを待ち、大きい場合には砕いて取り除く方法が検討されます。

①5mm以下

X線検査や超音波検査をしない段階での治療として、薬物療法と、1日2L以上の水分摂取や適度な運動などの生活習慣指導で結石が自然に出るのを待ちます。

痛みを和らげる鎮痛剤、尿管の痙攣を鎮める鎮痙剤、尿管を広げる排石促進剤、尿を出しやすくするα遮断薬などを使いますが、たいてい最初は鎮痛剤しか処方されません。結石排出のために尿量を増やす積極的な水分摂取や適度な運動を指導されます。1週間ほどで改善したかった場合にお薬が処方されることが多いでしょう。

②5mm~1cm

X線検査や超音波検査でそこその大きさとわかっている場合、状態や症状、位置などにより、薬物療法を中心とした経過観察か、砕石治療を行うかを選択します。

③1cm以上の結石

X線検査や超音波検査で、内服薬だけでは自然排泄は不可とわかっている場合に、自然に尿として排出できるサイズまで結石を細かく破砕、あるいは除去する砕石治療を行います。

 

粉砕方法

『経尿道的尿管砕石術(TUL)』

内視鏡による砕石治療です。内視鏡を尿道から挿入し、レーザーで結石を砕いて取り除きます。手術後、尿管ステントを2週間ほど留置する場合があり、抜去まで排尿時の痛みや血尿などの症状が現れます。尿管ステントは、腎臓から膀胱まできちんと尿を流す重要なものです。

『経皮的腎砕石術(PNL)』

内視鏡を使いますが、皮膚から腎臓に向けて穴を開け、そこから内視鏡を挿入し、結石を砕いて取り除きます。大きな腎結石などに有効な手法です。

『体外衝撃波結石破砕術(ESWL)』

体の外から衝撃波を当てることで、結石を砕き、自然に排出されるのを待ちます。

 

予防

1日2Lの水分補給、食生活の見直し、また、結石は寝ている間にできやすいので、就寝前3時間は固形物を食べない・寝る前にコップ一杯の水を飲むなど就寝時の見直しなどです。

※私は結石はよくできます。かなり腸管を切除してますし骨粗鬆症でもありますので、ちょいちょい排尿時に痛みがでることがありますが、水分補給を多くすることを常に心がけているためか、粉砕法をやらずに自然排泄で済んでいます。

ちょっと大きいかな?というとには排尿時にかなり鋭い痛みが走ります。

 

次回、『クローン病によくみられる腸管外合併症-⑤眼病変』に続きます。

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