昼寝はしたほうがいい?夏バテ時期の休み方を整理

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昼寝はしたほうがいい?夏バテ時期の休み方を整理

今回で睡眠関連は一度区切りとなります。

さて、暑い夏。
夜も寝苦しく、朝起きてもなんとなくスッキリしない。
昼食を食べたあとには眠くなり、

「ちょっと昼寝したほうがいいかな」

と思うこともありますよね。

昼寝については、

「昼寝は健康にいい」
「15分寝ると頭がスッキリする」
「昼寝すると夜眠れなくなるからダメ」

など、いろいろな話を聞くことがあると思います。

でも結局のところ、昼寝はしたほうがいいのでしょうか?

今回も最初に結論を言ってしまうと、

一律には言えません。

昼寝は、日中の眠気を和らげたり、休息を取ったりする手段として役立つことがあります。

一方で、

長時間寝る
夕方以降に寝る
夜の睡眠が十分なのに習慣的に長く寝る
不眠があるのに昼間に眠りすぎる

といった昼寝では、夜間睡眠のリズムを崩してしまう場合もあります。

厚生労働省の睡眠に関する資料でも、日中に眠気がある場合は、午後3時前までに30分以内の昼寝を取る方法が示される一方、不眠症状がある場合には昼寝をなるべく避けることが案内されています。
つまり、昼寝そのものが良い・悪いではなく、誰が、なぜ、いつ、どのくらい寝るのかまで考える必要があるんですね。

今回は、

昼寝にはどんな意味があるのか
どのくらいが目安なのか
子ども・大人・高齢者では違うのか
夜勤の人はどう考えればいいのか
望ましくない昼寝とはどんなものか
夏や夏バテ気味のときはどう休めばよいのか

などを、基本から整理していきます。

※この記事は、健康な方を含む一般的な睡眠・休息について整理したものです。必要な睡眠時間や昼寝の適否には個人差があります。強い日中の眠気、不眠、いびきや無呼吸などが続く場合は、昼寝だけで対処せず医療機関へ相談してください。

 

そもそも昼寝にはどんな意味がある?

昼寝は、夜の睡眠とは別に、日中に短時間の睡眠を取ることです。

午睡」、「仮眠」などと呼ばれることもあります。

人間は一日中まったく同じ覚醒度で活動しているわけではありません。

夜の睡眠が不足していなくても、午後には眠気を感じることがありますし、前日の睡眠不足や活動量が多かった日などには、さらに眠気が強くなることもあります。

そうしたとき、適切な短時間の昼寝を取ることで、

  • 眠気を軽減する
  • 頭を切り替える
  • 一時的に覚醒度を高める
  • 午後の活動を続けやすくする

といった助けになることがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、昼寝は午後の眠気を解消し、活力を与える方法として紹介されています。

ただし、ここで大切なのは、

昼寝は夜の睡眠の完全な代用品ではない

ということです。

夜に十分眠れない状態が続いているのに、

「毎日昼寝しているから大丈夫」

と考えるのは少し違います。

昼寝はあくまで、『日中の休息や眠気対策として上手に使うもの』、と考えたほうがよいでしょう。

 

昼寝のメリットは?

適切な昼寝には、いくつかのメリットが考えられます。

日中の眠気を軽減できる

最もわかりやすいのがこれですね。

眠くて頭がぼんやりしているとき、短時間眠ることで、起床後に眠気が軽くなる場合があります。

仕事や勉強、家事などを続ける前に、一度休息を入れるという意味があります。

 

覚醒度を回復する助けになる

睡眠不足や長時間の勤務では、注意力や反応速度などが低下します。

そのため、夜勤など一部の勤務形態では、計画的な仮眠が疲労対策の一つとして利用されています。CDC/NIOSHでも、勤務中の15~30分程度の短い仮眠が覚醒度を高める方法として紹介されています。
長距離ドライバーの方などもそうですね。

ただし、

「仮眠したから睡眠不足そのものが解消した」

わけではありません。

この違いは覚えておきたいところです。

 

休息するきっかけになる

昼寝には、眠ることそのもの以外にも意味があります。

忙しいと、

「疲れているけど、まだ動けるから大丈夫」

と休まず活動を続けてしまうことがありますよね。

昼寝の時間を決めることで、一度横になる、目を閉じる、身体を休める時間を意識的に確保できます。

実際には眠れなかったとしても、

「少し休もう」

活動を中断すること自体が大切な場合もあります。

 

一方で、昼寝にはデメリットもある

昼寝は長ければ長いほど良いわけではありません。

長時間の昼寝や遅い時間帯の昼寝では、

  • 起きたあとに強くぼんやりする
  • 夜眠くならない
  • 就寝時刻が遅れる
  • 生活リズムがずれる

といったことが起こる場合があります。

また、不眠がある人では、昼間に長く寝ることで、夜の睡眠欲求が弱くなり、さらに眠りにくくなることもあります。厚生労働省も、不眠症状がある場合は昼寝をなるべく避けるよう案内しています。

このあたりは後ほど「望ましくない昼寝」で詳しく整理します。

 

昼寝は何分くらいが目安?

ここは一番気になるところだと思います。

よく、

「昼寝は15分」
「20分がベスト」
「30分まで」

などと聞きますよね。

厚生労働省の資料では、日中に眠気がある場合、

『午後3時前までに30分以内』

の昼寝が一つの目安として示されています。また、e-ヘルスネットでは、午後の眠気を和らげる目的なら15分程度でも十分と説明されています。

ですので、一般的な成人が、

「午後ちょっと眠いから休もう」

という場合には、

『15~30分程度の短時間』

を一つの目安として考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、目安は目安です。個人の条件によってかなり差異があります。

「30分寝れば誰にとっても正解」

という意味ではありません。

寝つくまでに時間がかかる人もいますし、前日の睡眠時間、体調、年齢、生活リズム、活動量などによっても変わります。

時計の数字だけでなく、

「起きたあと楽になったか」
「夜の睡眠を邪魔していないか」

を見ることが大切です。

 

長く寝ると、どうして起きたあと余計にだるいことがある?

昼寝したあと、

「寝る前より頭が重い」
「起きた直後、何も考えられない」
「30分のつもりが2時間寝て、逆にしんどい」

なんてことがありますよね。

この、眠りから目覚めた直後に、

  • 頭がぼんやりする
  • 判断力が落ちる
  • 反応が鈍くなる
  • 気分がスッキリしない

といった状態を、【睡眠慣性(sleep inertia)】といいます。

NIOSHでは、睡眠慣性は起床後に一時的な見当識やパフォーマンス、気分の低下がみられる状態として説明されています。反応速度、短期記憶、思考などが一時的に低下することもあります。

そのため、

「昼寝したら即フルパワー!」

とは限りません。

とくに起きてすぐ、

  • 運転する
  • 危険な機械を扱う
  • 重要な判断をする

といった予定がある場合は注意したいところです。

 

年齢やライフステージによって昼寝の意味は違う

昼寝について大人向けの記事を読むと、

「15~30分」

という数字ばかり目につきます。

しかし、当然ながら、すべての年代を同じ基準で考えることはできません。

 

乳幼児・小さな子ども

乳幼児では、そもそも睡眠の取り方が成人とは違います。

厚生労働省の情報でも、1~2歳では1日11~14時間、3~5歳では10~13時間など、年齢に応じて長い睡眠時間が必要とされています。これらは一日の総睡眠時間として考えるため、乳幼児では昼寝も生活に必要な睡眠の一部になりえます。

ですから、

「大人は昼寝30分以内だから、子どもも30分」

という話ではありません。

成長段階に合わせて考える必要があります。

 

小学生~中高生

成長期では、大人より多くの睡眠が必要です。

厚生労働省では、

小学生 9~12時間
中学・高校生 8~10時間

を参考として示しています。

ここで注意したいのは、

『昼寝をすれば夜更かししてよいわけではない』

ということです。

学校で強い眠気が続くほど夜間睡眠が不足しているなら、昼寝で帳尻を合わせるだけではなく、まず夜の睡眠時間や生活リズムを見直す必要があります。

 

成人

働く世代では、

  • 仕事
  • 通勤
  • 家事
  • 育児
  • 運動量
  • 夜更かし
  • 夜勤

など、生活パターンの個人差がかなり大きくなります。

前日に十分眠れていて、日中にも眠気がないなら、無理に昼寝する必要はありません。

一方、

  • 睡眠不足だった
  • 活動量が多かった
  • 日中に強い眠気がある

という場合には、短時間の昼寝を取り入れる方法があります。

つまり、

『昼寝を日課にしなければならないわけでも、昼寝してはいけないわけでもない』

ということですね。

 

育児中の場合

赤ちゃんの夜泣きや授乳などで夜の睡眠が細切れになる時期は、少し特殊です。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、育児による睡眠不足がある場合には、子どもと一緒に短時間の昼寝をすることが勧められています。

ここでは、

「夜まとめて寝なければ」

にこだわりすぎず、昼間に休める機会を使うことも現実的な選択肢になります。

 

高齢者

高齢になると、若い頃と同じような長い夜間睡眠を取れなくなることがあります。

短い昼寝を上手に利用することが役立つ場合もありますが、長時間の昼寝は夜間睡眠を妨げる可能性があります。

高齢になると日中活動量が低下し、昼寝が増えやすい傾向があり、長い昼寝や何度もの昼寝は夜間睡眠の質を下げる可能性があるためです。
厚労省の現行情報でも、シニアでは長時間の昼寝を避け、日中の活動量を確保することが勧められています。

一方で、高齢者の昼寝そのものが悪いわけではありません。短時間の昼寝をうまく使うことで夕方のうたた寝が減り、夜によく眠れる場合もある、と厚労省系情報では説明されています。

「高齢者は昼寝しないほうがいい」ではなく、「長すぎる・何度もする昼寝が夜間睡眠へ影響することがある」

また、

「年を取ったから昼間はずっと寝ていていい」

というわけではないんですね。

 

夜勤の仕事では昼寝をどう考える?

ここは一般的な昼寝とは少し分けて考えたほうがよいところです。

看護師、介護職、警備、交通・運輸、製造業など、夜勤や交代勤務がある仕事では、

『本来なら眠る時間帯に働く』

ということがあります。

この場合、

「午後3時以降は昼寝しない」

という一般的な昼型生活の考え方を、そのまま当てはめることはできません。

CDCのNIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)は、夜勤・長時間勤務を行う看護職向けの疲労対策として、【計画的な仮眠(planned naps)】を紹介しています。

勤務中の休憩で15~30分程度の短い仮眠を取ることで、勤務中の覚醒度を高める可能性があります。さらに、勤務時間が長い場合には、状況によってより長い仮眠が役立つ可能性も示されています。

ただしこれは、

「夜勤は30分寝れば徹夜しても大丈夫」

という意味ではありません。

夜勤者でも、一日の総睡眠量を確保することが基本です。

  • 勤務前
  • 勤務中
  • 勤務後

のどこで睡眠を取るのかを、勤務形態に合わせて計画する必要があります。

また、職場での仮眠は、勤務先の規則や休憩制度、安全管理に従うことが前提です。

【参考:CDC/NIOSH Planned Naps】

【参考:CDC/NIOSH Naps at Work】

 

こんな昼寝は、あまり望ましくないかも

では逆に、昼寝の仕方が合っていない例も見てみましょう。

夕方から夜に長く寝る

仕事や学校から帰ってきて、

「ちょっとだけ……」

と18時頃に横になったら、21時まで寝ていた。

これはやりがちですよね。

でも、その時間に長く寝ると、本来の就寝時刻に眠気が来なくなることがあります。

結果、

夕方寝る

夜眠れない

就寝が遅れる

翌朝眠い

また夕方寝る

というリズムになってしまうことがあります

一般的な昼型生活なら、昼寝は午後早めの時間に済ませるほうが夜の睡眠へ影響しにくいと考えられます。厚生労働省も午後3時前までを一つの目安としています。

 

毎回1~3時間寝る

休みの日に、

「昼寝しよう」

と布団へ入り、気づいたら夕方。

これもありますよね。

たまにそうなる程度ならともかく、毎日のように長時間昼寝が必要なら、

  • 夜の睡眠が不足している
  • 睡眠の質が悪い
  • 生活リズムがずれている
  • 薬の影響がある
  • 睡眠時無呼吸などがある

といった可能性も考えたいところです。

厚生労働省も、夜十分に眠っているはずなのに日中の強い眠気が続く場合には、睡眠不足だけでなく睡眠・覚醒障害や薬剤なども原因になりうるとして、必要に応じた診察・検査を案内しています。

 

「眠らなければ」と無理に寝る

昼寝が健康に良いと聞いたから、

「毎日15分眠らなきゃ」

と考える必要もありません。

眠くないなら、無理に眠る必要はありません。

昼寝時間を、

  • 椅子に座って目を閉じる
  • 横になって身体を休める
  • スマートフォンを置いて静かに過ごす

という『休息時間』として使う考え方もあります。

昼寝はノルマではありません。

 

昼寝で夜の睡眠不足を全部取り戻そうとする

「前日4時間しか寝ていないから、昼に4時間寝よう。」

こう考えてしまうのもありがちですね。
でず、これでは生活リズムそのものが大きくずれることがあります。

昼寝は睡眠不足の影響を一時的に軽くする助けにはなりますが、慢性的な睡眠不足の根本解決にはなりません。

夜の睡眠時間を確保できない状態が続いているなら、生活そのものを見直す必要があります。

『昼寝を夜間睡眠と同じものとして扱わない』
『昼寝は足し算ではない』

ここが大事なところですね。

 

夏の昼寝で気をつけたいこと

ここから今回の記事のもう一つのテーマ、夏です。

暑い時期は、

  • 寝苦しくて夜の睡眠が浅い
  • 暑さで体力を消耗する
  • 食欲が落ちる
  • 水分不足になる
  • 外出や仕事で疲れる

など、疲労や眠気につながる条件が重なりやすくなります。
いわゆる夏バテですね(医学用語ではありません)。

そのため、

「夏は昼寝したほうがいいのかな」

と思うこともありますよね。

短時間の昼寝を休息に利用するのは一つの方法です。

ただし、夏ならではの注意点があります。

 

暑い部屋で我慢して寝ない

これ、大事です。

「昼寝なんだから30分だけ」
「夜じゃないからエアコンはいらない」

と、暑い室内で寝るのはおすすめできません。

睡眠中は、自分で暑さへの対処をしにくくなります。

また、厚生労働省の睡眠情報でも、夏は寝室温度が高いと睡眠時間が短くなり、睡眠効率が低下することが示されており、エアコンなどを利用して寝室を適切な温度に保つことが重要とされています。

昼寝だからといって、暑さを我慢する必要はありません。

きくらげの周囲でもたまに、いるんですよね。汗びっしょりで疲れた顔して、「どうしたの?」と聞くと「昼寝したんだけどクソ暑くて無理だった」。うん、ちゃんと涼しくしなきゃそりゃ無理よ……。

 

昼寝前後の水分も意識する

暑い日は、起きて活動しているだけでも水分を失います。

外から帰ってきて、

「疲れたから、とりあえず寝よう」

とそのまま寝てしまう前に、水分不足になっていないか確認したいところです。

  • 汗を多くかいた
  • 下痢をしている
  • 食事量が少ない
  • アルコールを飲んでいる

などが重なっている場合は、とくに注意します。

前回の記事でもお話したように、

『だるい=眠い』

とは限りません。

脱水による倦怠感を、

「寝不足だから昼寝しよう」

と勘違いしている場合もあります。

 

直射日光の当たる場所や車内では寝ない

夏場は、短時間の休憩でも環境を選ぶことが重要です。

日差しの強い場所や高温になる空間では、昼寝そのものより暑熱対策を優先します。

とくに車内は、エンジンやエアコンの状態にかかわらず安全管理が必要なので、

「少しだけだから」

と安易に寝場所として使わないほうが安全です。

 

夏バテ気味のときはどう昼寝する?

「夏バテ」という言葉は、医学的に一つの病気を指す診断名ではなく、夏の暑さなどに関連して起こる、

  • だるさ
  • 食欲低下
  • 寝不足
  • 疲労感
  • 胃腸の不調

などをまとめて表現するときによく使われます。

夏バテ気味で、

「今日は本当にしんどい」

というとき、無理に活動する必要はありません。

ただ、

『疲れているから一日中寝る』

が必ずしも最適とは限りません。

 

まず「眠い」のか「だるい」のかを考える

前回の記事とのつながりですね。

『目を閉じるとすぐ寝てしまいそうな眠気なのか。』

それとも、

  • 体が重い
  • 力が出ない
  • 食欲がない
  • 頭痛がする
  • 立つとふらつく

といった疲労や体調不良なのか。

ここを少し分けて考えます。

後者なら、

  • 脱水
  • 熱中症
  • 感染症
  • 貧血
  • 持病の悪化

など、昼寝だけでは解決しない問題もあります。

 

眠いなら、短時間の昼寝を利用する

夜の寝苦しさなどで睡眠不足になっていて、日中に眠気がある場合は、午後早めの時間に短い昼寝を取る方法があります。

15~30分程度を一つの目安にして

  • 起きたあと少し楽になるか
  • 夜も普段通り眠れるか

を見てみます。

 

一日中寝込むほどなら「夏バテ」で片づけない

ここは大切です。

「夏だからだるいんだろう」

と思っていたら、

  • 発熱していた
  • 脱水していた
  • 感染症だった
  • 持病が悪化していた

ということもありえます。

  • 休んでも改善しない
  • 食事や水分が取れない
  • 強いめまいや頭痛がある
  • 息苦しい
  • 意識がぼんやりする

などがある場合は、昼寝を繰り返して様子を見るのではなく、医療機関への相談を考えましょう。

 

ワンポイント:「マイクロスリープ」って数分の上手な仮眠のこと?

ここで、少し変化球のお話です。

ネットなどでは、

「特殊な仕事の人はマイクロスリープを使って数分で回復する」
「訓練すれば数秒でも眠れる」

といった説明を見かけることがあります。

でも、医学・睡眠分野でいうマイクロスリープ(microsleep)は、そういう意味ではありません。

NIOSHでは、マイクロスリープを、

『睡眠不足などによって意思に反して生じる、数秒程度の非常に短い睡眠』

として説明しています。

これは、本人は目を開けて起きているように見える場合でも、その間は脳が外部の情報を適切に処理できず、本人自身も起きていることに気づかない場合があります。運転や医療行為などの最中に起これば危険です。

つまり、端的に言えば、『自覚してない超短時間だけ寝落ちしてる状態』。この一瞬、とても危ないですよね。

『マイクロスリープは「上手な超短時間仮眠テクニック」ではなく、むしろ睡眠不足で起こりうる危険な現象』

なんですね。誤解しないようにしましょう。

【参考:CDC/NIOSH Microsleeps】

 

では、特殊な職種で使われる短い仮眠は何?

こちらは、

計画的仮眠(planned nap)

あるいは疲労管理の文脈で、

戦略的な仮眠(strategic nap)

などと表現するほうが適切です。

医療従事者や航空関係など、長時間勤務や夜勤による眠気が安全へ直結する職種では、勤務設計の一環として短時間の仮眠を利用するという考え方があります。

NIOSHでは、勤務中の休憩時間に15~30分程度の計画的仮眠を取ることで、覚醒度を改善する方法が紹介されています。

【参考:CDC/NIOSH Planned Naps】

ここで面白いのは、

「短い時間でも、目的を持って休む」という使い方

ですね。

ただしこれは、

「訓練すれば3分寝るだけで8時間睡眠と同じになる」

という話ではありません。

短時間仮眠によって一時的に眠気や覚醒度を改善することと、身体が必要としている総睡眠時間を確保することは別です。
やはり仮眠は仮眠、本来の睡眠の足し算にはなりません。

また、起床直後には睡眠慣性が起こることもあるため、安全性が重要な仕事では、

  • いつ仮眠するか
  • どのくらい寝るか
  • 起きてから業務へ戻るまでどうするか

まで含めて管理されます。

一般の人が真似して、

「昼寝は5分で十分なんだ」

と考えるための話ではありません。

人間は状況に応じて、短時間の睡眠を疲労管理に利用することもできる。

そんな少し面白い例として知っておくくらいがよいでしょう。

 

毎日強い眠気があるなら、昼寝だけで済ませない

昼寝すると楽になる。

それ自体は悪いことではありません。

でも、

  • 毎日必ず昼寝しないと活動できない
  • 会議中や仕事中にも眠ってしまう
  • 十分寝ているのに強い眠気がある
  • 運転中に意識が落ちそうになる
  • いびきや無呼吸を指摘されている

といった状態なら、

「自分は昼寝が必要な体質なんだ」

だけで片づけないほうがよい場合があります。

厚生労働省も、十分な睡眠を取っているにもかかわらず日中に強い眠気が続く場合、睡眠不足以外に睡眠・覚醒障害、薬の影響、精神疾患などが関係する可能性を挙げています。

秋には、いびきや睡眠時無呼吸症候群についても改めて詳しく整理したいと思います。

 

まとめ

昼寝は、

「したほうが健康に良い」

とも、

「夜眠れなくなるからしないほうが良い」

とも、一律には言えません。

適切な短時間の昼寝は、

  • 日中の眠気を和らげる
  • 一度休息を取る
  • 午後の活動へ切り替える
  • 夜勤などで覚醒度を維持する

ための手段になることがあります。

一方で、

  • 長時間寝る
  • 夕方以降に寝る
  • 毎日何時間も昼寝する
  • 不眠があるのに昼間に寝続ける

といった昼寝は、夜の睡眠や生活リズムへ影響する可能性があります。

一般的な昼型生活の成人で日中に眠気があるなら、

午後3時前まで、15~30分程度

を一つの目安として考えながら、自分の生活や夜の睡眠への影響を見るのが現実的です。

そして、子ども、高齢者、育児中、夜勤勤務などでは、必要な睡眠や生活リズムそのものが違います。

夏バテ気味のときも同じです。

疲れたら休む。

これは大切です。

でも、

「疲れた=とにかく寝る」

だけにしないことも大切だと思います。

  • 水分は足りているか
  • 食事は取れているか
  • 暑い部屋で無理をしていないか
  • 夜の睡眠は取れているか
  • そもそも本当に眠いのか、それとも身体がだるいのか

昼寝も、身体を休めるための一つの道具です。

長く寝ればそれだけ回復するわけでもなければ、15分という数字を絶対に守らなければいけないものでもありません。

その日の体調と生活に合わせて、夜の睡眠を壊さない範囲で上手に使う。

夏の昼寝は、そのくらい柔軟に考えるのがちょうどよいのではないでしょうか。

そして、これまで整理してきた睡眠関連のお話。これに該当しない特殊なケースの1つがきくらげです。
きくらげはきちんと医療と相談し、『きくらげスタイル』を確立し、睡眠を取っています。これについてはいずれ体験談のほうでお話したいと思います。

 

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