IBDと相性の良い仕事(私個人の体験から考察)

IBDの暮らしと健康
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『IBDと相性の良い仕事』

これはあくまでも、私がこれまでアルバイトを含む立ち仕事や力仕事や座り仕事をやってきた中で、それぞれのメリットとデメリット、そして総合的にみてどれが一番良かったかな、という体験に基づく考察とまとめです。

これから就職する方、これから転職する方、「どんな仕事ならやれるかな?」そんなふうに悩んでる方の1つの参考になってくれれば良いと思っています。

まず、私たちIBD患者さんみなさん、現在と将来では病態が違ってくるというのが前提です。また、良くなったり悪くなったりしばしば変動することも考慮しています。

 

力仕事

『ガテン系など』

言うまでもありませんが、低体重、低栄養状態の私たちに向いているわけはありません。筋質も骨質も悪く、持久力もまるでないので、身体壊すだけです。たまにスポーツをするなどの趣味と違い、フルタイムで毎日となりますと消耗激しすぎて活動期まっしぐらです。

※一度だけ引っ越しのバイトしましたが、一発で懲りました・・・

 

座り仕事

『PCに一日中向かい合ってる仕事や工場などで一日中座ったままで作業をする仕事』

消耗を避けたい』、とするならば座り仕事というのは一番理想的なはずですよね。勿論、選択肢として一番無難なところかと思います。

しかし、やはり場合によりけりです。

私たちIBDは総じてお腹の動きが悪い。癒着もあります。そんな身体で座りっぱなしというのは、腸の動きを余計に悪くしてしまい、腸閉塞になりやすくなってしまいます。

また、一日中同じ作業というのは、自分が感じている以上にストレスがかかるのです。これもお腹の動きが悪くなる要因ですね。神経がかなりすり減ります。一日が長く感じる場合、相当なストレスがかかっていると判断してよいでしょう。

これらを踏まえ、自分の病態、そして性格に合っているかどうかも判断材料になりますね。

空調が安定しているのは良かったですね。暑いと悪化させますから。

※私は障害者雇用で某宝飾品メーカーで一日中座り作業の仕事をしていました。消耗も避けるため、この仕事がベストと考えたからです。

しかし、結果はお話した通りで、腸閉塞も繰り返し、病態も悪化し、手術をしました。私には、合っていませんでした・・・

 

立ち仕事①立ちっぱなし

『レジスタッフのような突っ立ってる時間が長い仕事』

人間の上半身の筋肉は、前面(腹筋や胸筋がある側)と背面(後背筋がある背中側)とで、1:7の筋肉量で調律がとれています。

これは『偏り』ではなく『正常なバランス』です。

突っ立っているだけならスタミナの消費は少なく、比較的楽なほうといえますが、開腹手術を複数回行った方の場合、かなり厳しい労働となります。

というのも、調律です。開腹手術を何度も繰り返した前面の筋肉は、たとえて言うならば『Hカップのダイタマイトボディが中学一年生の学校指定ジャージのSサイズを着てるようなもの』なんですね。

腹筋を、ぎゅーっと正中線に引っ張ってきて、無理くり縫合している状態なので、常にピッチピチに張っているんです。

この状態ですと、腹筋を鍛えることはできません。鍛えようとするとインナーマッスルが引き吊れて腸閉塞などを起こしやすくなってしまいます。

ここまでで想像できるかと思いますが、腹筋が育たないということは、背筋も育たないということです。

前面、背面共に筋力がないと、真っ直ぐ立つというのは物凄くスタミナを消耗しますし、不安定で上手に立てていないので足腰が猛烈に痛くなります。

一時間でギブアップってくらいです。

開腹術後を繰り返している方にはオススメできません。

こちらも空調が安定しているのは良かったです。

※喫茶店とコンビニで一時期やりましたが、本当辛かったです。病態も次第に悪くなったので割りとすぐ辞めました・・・

 

立ち仕事②軽作業系

『飲食店やスーパーマーケット、ドラッグストアなどの軽い力仕事のある、よく動き回る仕事』

正直、これが個人的には一番オススメです。

私の現在の仕事を例にしますと、私はフロアスタッフとして働いていますが、基本的にとにかくフロア内を動き回ります。

姿勢が固定されることがないので、身体は懲り固まることはありませんし、ほどよい運動で筋力の維持増進にもなり、腸の動きも良いです。

また、棚の高いところ低いところとございますので、屈伸運動があります。人間は思っている以上に普段屈伸運動というのをしていないものです。屈伸運動のおかげで足腰も強くなります。

さらに、一番高いところは踏み台も使いますので、踏み台昇降運動になります。

そう、運動量がちょうどいいのです。

米や飲料や酒などのケースを担ったりすることもあり、力仕事も一部ありますが、基本的に台車に乗せて運ぶので、大変ではありますが重労働というほどではありません。上半身の筋力にも良いですね。

病態の安定と維持のためには、ただ体重を増やせば良いということではなく、筋肉が必須なのです。それは人間は筋肉中に筋肉グリコーゲンという形で栄養を保存しているからです。

消耗を避けるだけでなく、筋力の増強も私たちには必要なのです。

高カロリー=栄養ではないのと同じで(たんぱく質も脂質もミネラルも必要ということ)、体重=スタミナではありません、スタミナは筋肉に貯めるものなのです。

私たちは骨も弱いです。弱りやすい骨を強くするのにも運動は必須です。

勿論、この仕事も良いことだけではありません。バックヤードにはエアコンがありませんので夏はかなり暑いです。(エアコンある職場も当然ありますが私の職場はないです・・・)

そして何よりそれなりに疲労することも事実。体調が悪いときにはしんどいことも確かです。

 

以上4カテゴリで説明しましたが、まぁ体調によりけりは、仕方ないですよね。どの仕事も一緒。

どの仕事もそうですが、私は面接のときに持病の説明をすることを一番にオススメします。

なかなか就職できないからと、病を伏せて勤める方もいますが、やはり病気の理解は可能な限り得られたほうが望ましいです。

私は病気のことは説明しており、他の従業員にも隠すことなく周知してもらっています。

毎月の外来は勿論、検査で仕事を休むこと、そしてトイレが近いこと、そうしたことを理解し受け入れてもらえていますので、とても働きやすいです。

働きやすい環境というのは、先方から一方的にもたらされるのだけを待っていては実現できません。自分からのアプローチも必要なのだということを覚えておいてください。

私の体験がみなさんの一助になれば幸いです🙇

 

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